そのカギとなるのはさらに、日本政界の要人が中国のまっとうな発展を客観的・全面的に捉え、「色眼鏡」をかけては見ないということである。中国が発展するのはいたって正常なことである。巨大な人口を持つ大国が正常な範囲で正常に発展しているだけであり、日本に脅威を与えたり、日本に存亡の危機をもたらしたりはしないということを理解しなければならない。中国の発展が日本にもたらすのはむしろチャンスであり、中国の発展は「中国が勝てば日本が負ける」というような「ゼロサムゲーム」ではないということを認める必要がある。中国の発展は日本の発展空間を狭めるものではない。日本は早期に中国との協力発展の陣営に加わるべきだ。中国との協力は日本にとってチャンスであり、損失ではない。その最も明らかな例はアジアインフラ投資銀行(AIIB)である。AIIBに対して日本は早く決断を下すべきであり、いつまでもためらってAIIBをおかしなもののように見ているべきではない。AIIBは日本にとっては脅威ではなく、国際金融の主導権を争う対象でもない。AIIBに入ることは日本にとってはチャンスでしかない。AIIBに加わらないとしても、日本は、客観的で全面的な誠意ある態度でAIIBに向き合うべきで、挑発・警戒・懐疑などの態度でAIIBの発展に向き合うべきではない。
重要なのは、安倍首相と日本政界の要人とが、中国の「忠告」を心から受け入れることである。忠告はまず聞き入れるべきであり、いつまでもこれを否定しているだけではよくない。
習近平主席は、中日友好交流大会に出席して行った重要講話で、「日本の軍国主義が犯した侵略の犯罪を隠すことはできず、歴史の真相を歪曲することはできない。日本の軍国主義の侵略の歴史を歪曲・美化しようとするいかなる言動も、中国人とアジアの被害国の国民は受け入れないだろう。正義と良識を備えた日本人もこれを受け入れることはないと信じている。起こったことは忘れずに、これからの師としなければならない。歴史を銘記するのは未来を切り開くためである。戦争を忘れないのは、平和を守るためである」と指摘した。
中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利70周年を記念する今年、日本各界の友好的な人々総勢3000人からなる大型訪華団を中国側は歓待し、日本と国際社会全体に対し、責任と道義とを担い平和を愛し求める大国としての中国の懐の大きさを見せた。また習近平主席は講話で、歴史を繰り返すべきではない、歴史は真剣に学び、そこから教訓を汲み、その経験を重視する必要があると日本に明確に呼びかけた。(文:厖中鵬・中国社会科学院日本研究所副研究員)(編集MA)
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「人民網日本語版」2015年5月29日