米国のオバマ大統領は3日、アメリカ公共メディア制作のラジオ番組「マーケットプレイス」のインタビューを受け、「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)への将来の参加について中国から問い合わせを受けており、こうした国際協定の交渉権を国会が米大統領に与えることを希望すると語った。環球網が伝えた。
AP通信の4日の報によると、アメリカ公共メディアの取材を受けたオバマ大統領は、米国とその他11カ国からなる環太平洋諸国が進めている太平洋をまたいだ交渉は、中国に影響を及ぼしうる国際貿易ルールを設置するものだが、中国はまだ交渉の席に着いていないと指摘した。だがオバマ大統領は「マーケットプレイス」司会者のカイ・リスドールに対し、「彼ら(中国)はすでに、どこかの段階で参加する可能性を模索し始めている」と語った。
オバマ大統領はこれまでも、TPPの売り込みを、米国がアジア市場での影響力を得る方法としてきた。「もしも中国がどこかの段階で参加することになれば、この協定の基準に同意せざるを得なくなる」。オバマ大統領によると、中国が参加しなくても、アジア太平洋地域のその他の主要エコノミーは強制労働や環境基準、知的財産権保護、関税引き下げなどで同意しており、中国は少なくともこれらの国際ルールを考慮せざるを得なくなる。オバマ大統領はこうした状況に基づき、今後の貿易協定ルールの交渉権を国会が米大統領に与えることを求めた。議員には最終合意を一括して批准・否決する権利だけが残され、これらを変える権利はなくなる。共和党のリーダーとほとんどの議員はオバマ大統領の提案を支持しているが、下院の多くの民主党議員の反対の声は高まっており、合意が空手形になる可能性もある。