AFP通信は4日の評論で、最終段階に近付いたTPP交渉でオバマ大統領が、世界第2の経済大国の指導者がこの「船」に飛び乗る可能性を示唆したと伝えた。中国の参加は今すぐといったものではなさそうだが、オバマ大統領の発言は今後の見通しを示すもので、TPPがさらに幅広い協定の土台となる可能性に言及したものと考えられる。TPPには、日本や韓国、ベトナム、カナダ、オーストラリアなど比較的大きな経済国が含まれているが、オバマ大統領に対する国内での抵抗を含め、克服しなければならない障害はまだある。ホワイトハウスは現在、オバマ大統領に貿易交渉権を与えるための国会での票集めに努めている。中国のTPP参加の可能性は、労働基準と米国の雇用の海外流失に対するオバマ大統領の属する民主党の心配を高めるものともなる。
ブラッド・シャーマン連邦上院議員は3日、貿易促進権限に抗議する集会で、「もし中国がTPPに参加すれば、中国はこの協定の最大の受益者となる」と指摘した。政府職員や貿易関係者からなる支持者は、中国の態度はまだ不明だが、国際貿易協定は為替レートの問題を解決する誤った手段であり、こうした措置は貿易戦争をもたらしたり、連邦準備系統の通貨政策実施の力を弱めたりすることにつながるとの懸念を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月5日