「敗戦国のイメージ」、日本はいかに払拭するべきか?

「敗戦国のイメージ」、日本はいかに払拭するべきか?。

タグ: 敗戦国 ドイツ 歴史

発信時間: 2015-06-16 15:17:12 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

戦争・平和・発展が人類の文明史を貫いている。国家間・民族間でいかに効果的に、武力を使用せずに係争を解決すべきかという根本的な問題が存在する。1990年代前半・中頃の2度の世界大戦は、産業化を基礎とした人類間の殺戮だった。多くの罪なき平民が命を落とし、ホロコーストが発生した。人類は上述した問題をいかに解消するかについて、検討を迫られた。

ドイツは2度の世界大戦の発動者と失敗者だ。第二次大戦後、戦争の苦しい結果を受けたドイツ政府と国民は、生まれ変わりの再生の道を歩んだ。ドイツ政府は戦争の賠償を行い、関連法を制定し、反ナチスを国家的意志に高め、戦争責任を無期限で追及した。さらに平和的な協議、さらには自国に損失をもたらすような手段により理解と信頼を勝ち取り、国家間の和解を実現し、欧州一体化を促進した。

思想・意識の面において、ドイツ人は事実を認めた上で、全民族の魂の「消毒」に取り組んだ。学校の歴史教育、メディアの報道、政府の模範、全社会の議論などの手段により、歴史を全国民で反省し、基本的人権の尊重を確立し、戦争に反対した。ドイツは平和を求める、歴史を記憶する共同体に発展していった。

ドイツと同様、日本も第二次大戦の元凶の一つだ。しかし日本はドイツと異なり、国家政策と思想・意識の面で、戦争に対する反省があまりにも不十分だ。極めて複雑な歴史的原因により、占領国は戦後、日本の戦争の罪に対して厳格かつ徹底的な清算を行わなかった。これにより、日本と侵略戦争を緊密に結びつける政治・経済構造が、徹底的に改善されなかった。軍国主義分子が全体的に勢力を維持し、エリートとして政界・経済界に進出し、力強い右翼の傾向を「保存」した。これは後の平和憲法の改定に、政治・経済・組織の基盤をもたらした。

日本の右派は、国民の教育や世論のリードといった権力を利用し、歴史の真相をあの手この手で覆い隠し、歪曲しようとしている。日本の影響力ある人は戦争の罪を反省せず、侵略の歴史を極力否定し、されには美化し、戦争責任を逃れようとしている。日本政府は隣国の重大な関心と自国民の反対を顧みず、憲法解釈見直しなどの手段により事実上の地域軍備競争を引き起こし、地域の強い不安に陥れている。

歴史を振り返ると、ドイツは「敗戦国のイメージの払拭」が系統的な取り組みであることを、正確に理解することができた。これには反戦的な政治体制と法制度の構築、戦争責任の追及、全国民による反省、戦争賠償、国家・民族間の和解などが含まれる。しかし我々は日本の右派の一連の言行によって、日本の軍国主義復活を警戒する理由を手にしている。国際的な法則を尊重せず、勝手気ままに振る舞い、武力によって不当な利益を手にしようとすれば、再び戦争の発端の地となり、最終的に自身と他者に害をもたらすことだろう。(筆者:朱剣利 中国社会科学院世界歴史研究所の学者)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年6月16日

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