16日付産経新聞は独自の情報として、「自民党が、終戦後の連合国軍総司令部(GHQ)による占領政策や東京裁判、現行憲法の成立過程などを検証する新組織の設置を検討していることが15日、分かった」と報じた。順調であれば、国会の審議にかけられるという。産経新聞は、「戦後70年を機に、東京裁判で『争われた』内容や憲法制定の背景を振り返ることで『正しい歴史認識』を確認し、今後の改憲議論に反映させる考えだ」と伝えた。上海国際問題研究院アジア太平洋センター副主任の廉徳瑰氏は16日、環球時報に対して、「自民党内のこのような動きは、右翼の声が公になる動向を示している。本件は改憲の口実になる可能性があり、警戒が必要だ」と指摘した。
自民党はGHQによる政策を検証することで、政府の改憲を支持しようとしている。産経新聞によると、安倍晋三首相は現行の憲法の成立過程を振り返り、「原案をGHQの素人がたった8日間で作り上げた代物」と評した。新組織はこの説を取り上げ、憲法改正に向けた国民的な議論を盛り上げる。
廉氏は16日、環球時報に対して、「1950年代より、このような声が聞かれている。彼らは東アジアの戦争は、侵略戦争ではなかったと考えている。ただ、以前はひそかにささやかれていただけだった。1990年代より以前ならば、閣僚がこのような主張をすれば、メディアにさらされ引責辞任を強いられた。村山談話も、この声の拡大を防いだ。自民党の中で右寄りな稲田朋美氏らの一派は、一部の過激な思想を継承しており、反省しない頑固派と呼ばれている。しかし彼らの意見と観点は、日本政府と社会の全体的な観点を示すものではない」と述べた。
外交学院国際関係研究所教授の李海東氏は16日、環球時報に対して、「東京裁判は第二次大戦の戦勝国の敗戦国に対する裁判だ。日本がこれを覆そうとすれば、大多数の国の秩序と共通認識を脅かすことになる。米国が日本の放任を続ければ、日本は米国の力をも疑問視するだろう。そうなれば日本は束縛を解かれた荒馬のように、懸念される道を歩み続けることだろう。自民党は改憲の口実を作ろうとしているのだろうが、この流れは非常に危険だ。米国は日本の改憲に反対しておらず、日本が軍事的により大きな力を発揮することを願っている。米国は日本のアジア太平洋における地政学的機能を過度に重視しており、日本の政策に対する盲点が存在する。米国は対日政策を反省するべきだ」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年6月17日