ネット上の世論は上述した通りだが、日本の紙メディアの中国に関する文章の傾向も楽観視できない。中国人学者は10年前に日本を訪れた際に、日本の世論と出版業界は中国に対して重苦しい態度を持っていると溜息をついていた。10年が過ぎた今、雰囲気はさらに重苦しくなっている。中国が貧しく何もなかった時代、日本社会は中国に対して平和な態度を持っており、中国の悪いニュースをあら捜しし優越感に浸ることはなかった。しかし現在の日本社会には、中国の発展を認めず、中国が強く大きいという事実を受け入れたがらない普遍的な心理がある。ゆえにメディアは中国の悪い情報を誇張することに夢中になっている。
例えば中国人が日本で買い物をすれば、日本の新聞やテレビですぐに報じられる。多くの中国人は知らないかもしれないが、日本メディアが使う「爆買」という言葉には貶す意味が含まれている。大体の意味は、「世間知らずの田舎っぺが何でも買っていく」だ。中国人は日本の消費を促進し、消費が低迷する日本経済に活力を注ぎ込んでいるが、日本のテレビは中国人の素養の低下を暴く特集ばかりを組んでいる。
「マナー違反」は、日本の一部の主流メディアが中国人によく使う形容詞だ。日本メディアはネットユーザーの中国に対する印象をリードし、、彼らの期待にも応えようとしている。この誇張したニュースにより、一部の在日中国人にも負のレッテルが貼られている。そのためシカの角切りの噂が伝わると、多くの在日中国人が真偽を判別する前に情報を転載し、批判した。これは「中国人は低素養」という画一的なイメージのなせる業だ。
人々は現在、日本人の素養が高いと考えている。ところが1960年代、日本人観光客は海外で評判が悪かった。記者の日本人の友人(学者)も、日本人も一つの段階を踏まえ素養が向上したことを認めた。日本と比べ、海外を旅する中国人客には、大声で騒ぐ、ゴミをポイ捨てする、道を遮るといった問題が存在する。しかし現在の中国人客は自らのマナーを重視するようになった。これまでの悪いニュース、シカの角切り騒ぎのような出来事は、今後減少していくことだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月25日