中国人観光客が奈良のシカの角を切り落としたという情報が、ネット上で拡散した。日本在住の作家の唐辛子氏はミニブログで、数人の中国・広東省の観光客が奈良公園で鹿の角を切り落としたという情報を流したが、その後これは誤報であることが証明された。中国人客はシカの角を切り落としたのではなく、ベビーカーに絡まったシカを助けようとした。この情報が伝わると、中国と日本で大反響を呼んだ。本件は、両国のネットユーザーの異なる心理を反映している。「新華毎日電訊」が伝えた。
シカは奈良公園の風景の一つだ。シカの角切りは奈良公園の伝統行事で、繁殖期に人を傷つけるのを防ぐ目的がある。天皇夫妻も自らこれを見学したことがあり、記者も勇士がシカを追い、角を切る光景などを見る機会があった。しかしこのシカの角切りという行事に対する注目度は、今回の「事件」に及ばないように見える。
ヤフージャパンは23日、中国関連情報に特化した「レコードチャイナ」の記事を転載した。その海外の中国関連情報の欄では、ネットで伝わるこの情報が誤解であったことが報じられた。しかし興味深いことに、誤解が確認されても日本のネットユーザーは、本件を楽観視しなかった。
ここからはいくつかのコメントを見ていこう。「鹿の角って漢方の材料だったよね。この経緯の実際はどうだったか知らんけど、中国人にはお宝が目の前歩いてるように見えるんじゃない?」、「そういうイメージが強いから仕方ない」、「本当の話なんだろうが、CHINA人が言うと、なぜか疑いの目で見てしまう」、「珊瑚を密猟するくらいだから。本当はどうかな」、「ベビーカーに引っ掛かって折れたって…そんなわけあるかーい」
日本のネットユーザーのコメントは、理解できないものではない。中国人が気に食わない一部の日本人にとって、本件は中国人に悪口を浴びせる格好の材料である。彼らは最初の噂を信じたがっている。情報はすぐにデマであると確認されたが、これらの人々の心中にある偏見が消えることはない。