7月7日は盧溝橋事変(盧溝橋事件)および全民族抗日戦争勃発78周年記念日だ。中国政府の抗日戦争勝利70周年記念行事に対して、日本の菅義偉官房長官は記者会見で、抗日を過度に強調して歴史問題を国際化する中国側のやり方は地域の平和と安定にマイナスだと妄言を吐いた。日本側のこの発言を中国外交部(外務省)報道官は「常軌を逸している」と批判した。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
菅氏の発言は日本政府を代表しており、このような常軌を逸した発言も決して初めてではない。昨年7月7日、中国の抗日戦争記念行事に関する記者会見での質問にも菅氏は似た発言をした。1年が経ったが、日本政府は発言の口ぶりさえ変えていないうえ、中国側を非難した後に、戦後日本の平和路線が国際社会に肯定されたことを持ち出して具体的な問題を回避しているようだ。
「まさか日本側が再三歴史問題について言葉を濁し、定見がなく、さらには侵略の歴史をうやむやにし、美化することが、地域の平和と安定にプラスなのか?」。中国外交部報道官のこの反問は、歴史問題における日本の誤った言動の急所を突いている。
第1に、中日関係が幾度も困難に陥った根本的原因は、日本の歴史認識問題にある。1980年代以降の中日関係を振り返れば、大多数の波瀾の原因が歴史問題における日本側の誤った言動にあることが分かる。歴史問題による両国関係の困難は、いずれも日本側が引き起こしたものだ。靖国神社参拝も、歴史教科書の改訂も例外ではない。中国が歴史問題に固執しているのでは決してなく、日本の右翼勢力と政界の代表的人物および支持者が日本の侵略戦争の責任を回避し、侵略の歴史を再三否認さらには美化し、誤った言動によって中国国民の歴史の傷口に塩を塗り続け、国際的相互信頼を破壊し、地域に緊張をもたらし続けてきたのだ。
第2に、中国側の抗日戦争勝利70周年関連行事を日本側が歪曲し、顔に泥を塗ろうとしても徒労に終わる。中国と国際社会が世界反ファシズム戦争ならびに中国抗日戦争勝利70周年を共に盛大に記念するのは、「歴史を銘記し、烈士を追想し、平和を大切にし、未来を切り開く」ことが目的だ。これは中国抗日戦争勝利70周年記念行事を貫いており、世界と地域の平和と安定を維持することに帰着点がある。今年のロシア、米国、フランスなど世界各国および国連による世界反ファシズム戦争勝利70周年記念を見渡すと、例外なしにこのテーマを体現している。中国が記念行事を催すのは、歴史問題で日本を批判し、抑えつけるためでは決してないが、中国と国際社会は日本側の誤った歴史観に対して強く警戒し続けなければならない。