ニコニコ動画の運営会社は記者会見で、これらの「日本ではネット上でしか配信されない、ショッキングな作品」によって人々の注目を集め、ネットユーザーの「本当のことを知りたい」という需要を満たしたいと表明した。ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏は、「アジアの国で反日ドラマ・反日映画が公開されていると聞くが、実際にそれがどんなものなのか、見た人はほとんどいないと思う」と述べた。自民党は同日(15日)、野党と国民の強い反対を顧みず、集団的自衛権の行使容認を含む安保関連法案を強行採決した。川上氏は、「発表の日が政治的に大きな決定の日になったのは皮肉なことだ」と話した。ドワンゴとニワンゴは、今後も多くの放送が禁止されている映画を配信する予定だ。
ニコニコ動画は日本最大の動画サイトで、世界のウェブサイトのランキングで80位に位置する。1日平均のアクセス数は5億6000万件。ニコニコ動画は日本の若者の間で人気があり、ユーザーのコメントを動画に表示するサービスを初めて提供したとされる。4800万人以上が同サイトに登録しており、有料会員は200万人以上。環球時報の記者が同サイトを確認したところ、間もなく配信される戦争をテーマとした作品には、それぞれ数百人の予約が入っている。運営会社は配信後、作品の解説番組や議論の生放送番組などを制作し、視聴者の幅広い議論を行い、影響力を拡大していく。
日本では、歴史問題に関する映画は「敏感な話題」とされている。これらの作品は放映される機会がないか、一定期間と紆余曲折をへてようやく人々の前に姿を現す。中国の抗戦をテーマとした映画は、日本の右翼から「反日映画」と呼ばれる。多くの日本メディアは、これらの映画は「中国人の日本への憎しみを煽る」としている。日本人には、中国のこれらの作品に触れる機会はほとんどない。
日本の戦争をテーマとする映画の多くは、「日本が戦時中いかに苦しんだか」を反映する。例えば第二次大戦中の沖縄や、日本軍と米軍の激戦といったテーマだ。日本は8月15日を「終戦記念日」と呼んでいる。日本のテレビ局はこの期間に戦争映画を放送するが、そのテーマは平和の主張を反映するか、家族の絆や愛などを表現するものだ。日本はまた原爆を題材にすることを好み、広島や長崎の原爆投下を背景とした作品は、実に「感動的」だ。2013年に公開された映画『永遠の0』は、近年の日本ではヒットしたと言える戦争映画で、百田尚樹氏の同名のベストセラー小説が原作。日本の第二次大戦中のゼロ戦パイロットをテーマとし、兵士が戦争中に命を惜しみ、平和を願ったことを表現した。しかし百田氏は「日本は先の大戦を反省する必要はない」といった発言をしており、講演の中で南京大虐殺を否定したこともある。『永遠の0』は日本のアニメ界の巨匠、宮崎駿によって、右傾化や「戦争神話」の捏造を指摘された。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年7月17日