物事の是非に関わる問題については、ほんの少しのごまかしも許されない。ポツダム宣言の規定と精神を認め順守できるか否か、安倍政権と日本の右派の歴史観が正しいか否かは、ポツダム宣言という「照魔鏡」で照らしてみれば分かることだ。安倍政権と日本の右派がこの鏡を直視しないということは、戦後の国際秩序を根本的に否定し、戦後レジームから脱却しようとする野心を隠していることの現れだ。
安倍政権は戦後レジームからの脱却、「国の正常化」という名義により、戦後としては前代未聞の一歩を踏み出した。国内の民意の強い反発を顧みず、衆議院で安保関連法案を強行採決し、日本が戦争を発動するため「法的保障」をもたらした。これは日本を「地球のいかなる場所でも戦争に参加できる国」にし、平和憲法9条を形骸化した。
安倍政権と右派が求める「国の正常化」は、異常な行為だ。日本と対照的なドイツは再び政治大国になり、国際社会に受け入れられている。これはドイツ政府が戦後、歴史を深く徹底的に反省し、実際の行動によりこれを貫き、国際社会の理解と信頼を勝ち取ったからだ。これらの面で、安倍政権はドイツに逆行している。歴史観を正さず、過去の侵略の罪との間に一線を画さぬまま戦争立法を強行推進すれば、隣国と国際社会が疑問視し、懸念するのも当然だ。日本はその身を正さぬまま、いかにして「正常な前進」を実現するのだろうか?
世界反ファシズム戦争勝利70周年の今日、平和的な発展、協力による共栄は、国際社会の普遍的な願いとなっている。ポツダム宣言の侵略に反対し平和を求める精神は、現在も重大な現実的意義を持ち、かつ日本の軍国主義が残した毒の闇と野心を照らし出している。ポツダム宣言の権威、反ファシズム戦争の勝利の成果を守り、初めて国際社会の長期的な平和と安定を維持できる。ポツダム宣言の精神に背き、「病」を抱えたまま前進する安倍政権と右派は、日本を危険な道に導くばかりだ。
日本の未来のため、安倍首相らはこの鏡で自らを照らすべきだ。