掃海を強調するのは、「専守防衛」を突破し、集団的自衛権の行使を容認する安倍氏の取っ掛かりに過ぎない。安倍氏が関心を抱いているのは自衛隊による海外での武力行使を容認することであり、これこそが日本が「普通の国」になるために必要なことで、そうしてこそ日本は真の政治大国、政治強国になれると考えている。安倍氏は「名正しからざれば則ち言順わず、言順わざれば則ち事成らず」の道理をよく理解している。このため「中国の脅威」と地域の緊張を入念に誇張して、南中国海問題を利用して波風を立て、集団的自衛権行使容認の口実、論拠、証拠を作ることを選択した。少し前にメディアは安倍氏が「飲酒後に本音を漏らし」「安保法案制定は中国が狙いだ」「米国と共に南中国海問題で中国を叩く」と言明したことを暴露した。今回の「南中国海掃海」発言も中国を狙ったもののようだ。
もちろん「南中国海掃海」は現時点ではまだ想定に過ぎず、安倍氏の発言が掃海への「参加」であれ「不参加」であれ、南中国海問題を騒ぎ立て、地域の緊張と中国の脅威を誇張して、現在審議中の新安保法案に口実を提供しようとしている事実に変わりはない。安倍氏は第2次政権発足以来、戦後日本の平和路線からかけ離れ、軍事大国化の道を歩む方面でしきりに動き、過去の政治的タブーを何度も突破し、地域の安全保障情勢に一層複雑な要因を増やし、将来の地域衝突の隠れた危険をもたらしてきた。安倍氏に代表される日本右翼の野望は東アジアの災いのもとであり、その向こう見ずな行動は地域の安定を一層損なう。もし安倍氏が根本的に改めず、独断専行で軍国主義の古い道へと日本を押しやるのなら、実質的に東アジア地域への「機雷敷設」であり、「掃海」などではない。
集団的自衛権の行使容認を強行する過程で、安倍氏は将来の様々な衝突のケースを想定したはずであり、その大きな部分を中国が占めたことは確実だ。日本とアジアにおいて安倍氏の描く「中国の脅威」への同意の声は一定程度あるかもしれないが、中国との衝突は歓迎されるとは限らない。安倍氏は自分だけの利益のために中国を仮想敵と見なし、中日間の戦略面の相互信頼に深刻な影響を与えた。安倍氏こそが東アジアが除去する必要のある「機雷」なのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年7月31日