韓国メディアの報道によると、日本の鳩山由紀夫元首相は12日、ソウル市内にある西大門刑務所の跡地を見学し、日本の占領下で虐殺された韓国の烈士165人の名前が彫られた追悼碑の前でひざまずき、目を閉じ合掌した。鳩山氏はその後、現場の記者に対して、「心から謝意を表した。彼らに謝意を表したかった」と話した。
鳩山氏は民主党元党首で、2009−2010年の短期間に首相に就任した。鳩山氏は、日本の侵略を受けた国の犠牲者の追悼碑前でひざまずいた、日本初の有名な政治家だ。韓国の世論は昨日、大きな反応を示した。人々は鳩山氏への敬意を表し、安倍首相もこの元首相にならうべきだとした。ある韓国のネットユーザーは、鳩山元首相は「一挙に5000万人の韓国人のファンを獲得した」とコメントした。またある人は、安倍首相も鳩山氏のように謝罪できれば、「世界から尊敬される人」になるとした。
しかし残念なことに、鳩山氏は日本の政界で窓際に押しやられており、現在の日本の主流社会での求心力と代表性は限られている。安倍首相の周辺には、無念を晴らそうとする好戦的なナショナリストが集まっており、外に対して日本の公式な声を発している。
この勢力はねじ曲がった歴史観を持つほか、不健全な栄誉と恥辱の観点を持っている。海外から見れば尊厳ある謝罪と懺悔は、彼らに恥ずべき尻込みとされる。彼らは謝罪の拒否が勇気ある行いであると考える。日本の侵略の歴史を薄め、国際社会が70年前に日本軍国主義を打ち破った際に下した結論を修正し、さらにはひっくり返そうとしなければ、日本を愛しているということにはならないというのだ。
8月15日は日本の降伏70周年だ。安倍首相は前日の14日、その歴史観について全面的に説明する安倍談話を発表する。我々はこれが安倍首相個人、日本の現政権の歴史に対する態度を変える契機になることを願う。安倍首相が日本のアジア侵略にはっきりとした謝罪の言葉で言及することができれば、これは今年世界を最も揺るがすニュースの一つになるだろう。すでに安倍首相に完全に失望している人たちは、彼を見直すことだろう。
安倍首相には2つの選択肢がある。一つ目は、安倍首相と日本の右翼のガラパゴス化した歴史道徳王国の中で誇りを感じることだ。二つ目は、日本社会が心の扉を開くことを促し、中韓などの国、および東洋の第二次大戦の歴史を知る西側の人々の尊重を取り戻すことだ。現実を見ると、中韓の国力はかつての比ではなく、社会の心理が強硬になっている。安倍首相が謝罪しなくても、両国の国益が損なわれることはない。日本に対してのみ、まったく異なる効果が現れる。
安倍政権は米国などの日本への友好に、その歴史の態度に対する敬意が含まれると勘違いしてはならない。米日関係は地政学の産物であり、この世界には侵略の問題をひっくり返そうとする日本政府の野心を賞賛する人はいない。協力すると同時に侵略の謝罪を拒む日本は、今後も長期に渡り海外から見下されるだろう。安倍政権がこの点を理解できなければ、政権のみならず現代日本全体の悲劇になるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月13日