中国社会科学院日本研究所副所長楊伯江
1.圧力の下で安倍首相は一部妥協安倍晋三首相は誤った歴史観を一貫して堅持してきた。2013年4月には参議院予算委員会で「侵略の定義は定まっていない」と述べ、また「村山談話」を変える必要があると繰り返し表明してきた。しかし、今回の談話は広く国際社会の注目する四つのキーワード「侵略」「植民地支配」「反省」「おわび」が全て書き込まれている。どうであれ、これは安倍首相がもともと持っていたかたくなな立場からは一種の譲歩だ。戦後70周年に際し、日本の主流の民意は隣国との国際関係を和らげるよう安倍政権に望んでいる。
この点は日本メディアが最近実施した世論調査でも非常にはっきりしている。安倍首相への圧力は与党自民党内の穏健派や連立政権を組む公明党からだけでなく、日本国内の政治動向からも一層かかっていた。衆議院で安全保障関連法案を強行採決した後、安倍内閣の支持率は下がり続けている。さらに前後を見渡せば見渡すほど、原発の再稼動や参院選、消費税率アップなどの難題がますます山積している。安倍首相にとって「悪材料」は「好材料」よりもはるかに多い。今まさに安倍首相は有権者の視線を急いでそらす必要があった。対中国か対ロシアか、あるいは対朝鮮民主主義人民共和国かを問わず、たとえムードだけだとしても、関係の緩和と改善はしっかりつかむ必要のある「カード」だった。