安倍首相は2015年4月、バンドン会議60周年記念首脳会議に出席した。演説の中で侵略戦争にまったく言及せず、お詫びの言葉もなく、対象が定かでない「反省」を用いるに留まったが、安倍首相は周辺諸国の首脳との会談を実現した。外交筋の情報によると、安倍首相は9月3日に中国で実施される記念活動への招待を受けた。またこの機会を借り、中国などの周辺諸国と外交関係の調整を行う意向を持っていた。安倍首相はその後訪米し、日米の和解について言及した。これは日本が米国との関係を処理してから、アジア諸国の和解を実現するという期待感を生んだ。
安倍首相の外交面の最も親しいブレーン、元外交官の谷内正太郎氏が7月に訪中した。谷内氏のポストは「国家安全保障局長」のみだが、安倍内閣の閣僚であっても会えるとは限らない高官と会うことができた。この理由は、ただひとつだ。谷内氏は安倍首相の9月訪中について協議しに来たのであり、高官に安倍首相の意図を直接話し、高官の声を聞く必要があったのだ。中国の世論はその後、日本に対して配慮を見せた。これは安倍首相の訪中を実現し、中日の戦争問題の最後の和解を目指したからだ。
人々は安倍首相の訪中を信じていた。原則的な問題をめぐり、安倍首相があいまいな態度を示すことはないと。各国は安倍首相が訪中し記念活動に出席するため、最大限の準備をしていた。しかし安倍首相は今や急遽この訪中日程を取り消し、外交の努力を水の泡にした。
中日の和解、今後は長期化へ
安倍首相が8月14日に発表した談話について、中国人は多くの意見を持っている。しかし人々は安倍首相が9月3日に訪中し記念活動に出席すると思い、かつ談話の中でお詫びや反省などに言及されたため、知らぬふりをして何も言わなかった。戦後70年に中日の最後の和解を実現することは一大事であり、アジアの平和的な環境は中国の今後の持続可能な発展の最も重要な保証であるからだ。