日本の12万人の市民が8月30日に国会を包囲し、同じ日に約100万人の市民が全国で抗議活動を行った。目的はただ一つ、安倍政権が圧倒的な議員数により安保関連法案を強行採決したことに抗議し、最終的に法制度化されることを阻止することだ。
これほど大規模な抗議活動は、日本では久方ぶりのことだ。日本社会では安保法案反対の声が高まっており、5人の元首相が反対の立場を明確に示した。しかし安倍政権と自民党の反応は冷ややかで、安保関連法案の参議院通過が「集会の影響を受けることはない」と表明している。
日本は重要な岐路に立たされている。安倍首相の右傾化の道は人々に懸念されている。これはどうやら、中国の偏見によって生まれる認識ではないようだ。安倍首相の路線は日本社会にかくも強い危機感を抱かせている。安倍首相は多くの日本人に対して、彼らが望まぬ選択を強いようとしている。
安保関連法案の短期的な仮想敵国は主に中国だが、長期的な戦略から見ると目標の一つに過ぎない。安保関連法案の制定は、自衛隊の集団的自衛権の行使容認、日米の新たな防衛協力のための指針と三位一体となっており、いずれも日米同盟の強化を目的としている。しかし平和憲法を打破しようとしている日本を懸念するのは、中国のみではない。これがもたらす問題は、時間の流れとともに全面的になるだろう。
安倍政権は日本を「正常な国」にしようと取り組んでいる。この変化には、自国領における米軍の駐留、米日同盟の束縛からの脱却の他に、どのような実質的な内容があるのか不明だ。日米は、いわゆる「中国脅威」をめぐってどちらが勝ち抜くかというゲームを展開している。米国は日本をコントロールすることに自信満々であるが、日本は最後の勝者になるため、どんな過程も我慢するという謀略を取っている。
中国は日本から経済以外の利益をほとんど得ていない。そのため我々は、いかに歴史を認識するかという道義的問題に注目している。米国はいかに日本をコントロールし続けるかに苦心し、かつ自国の世界戦略に貢献させようとしている。ゆえに米国の日本への態度は功利的であり、米日が利用し合う関係であることは明らかだ。
安倍首相は国益を求める際に回り道をすることがあり、日本人、さらには自分の目をくらませている。安倍首相の重要な問題に対する観点はゆがんでいる可能性が高い。安倍首相は他者から自分の意図を読んでもらうことを必要とするが、正しく読まれているかを疑うこともある。このような政治的文化が長期的に日本をリードすれば、より高いリスクをはらむ政治ゾーンが生まれるだろう。
安倍政権は歴史問題から安保関連法案に至るまで、自身が対話しがたい異端児であることを何度も証明している。日本は力との対話しかできない、これは世界で言われ続けていることだ。不幸なことに、このような評価は新たな面から裏付けられようとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月1日