中国はこれまでの気候変動対策において、マクロ的な対策の段階であった。これからは、世界における経済大国として中国が重要な位置を占めていくというシナリオにおいて、よりミクロに焦点をあてた、具体的かつボトムアップ型のメカニズムに沿った環境・エネルギー政策が重要になってくる。これは中国自身にとって重要というだけではなく、中国の気候変動・環境保護・省エネ社会への取り組みは世界全体にとって重要な役割を果たすものであり、中国政府の目標達成メカニズム転換(トップダウン型からボトムアップ型へ)は国際的に望まれるものであろう。
北欧、ドイツや日本など環境先進国の具体的な政策事例を、政治経済構造の異なる中国という大国において全面的に実施することは勇気の必要なことだ。しかし、環境対策は他の外交課題に比して、各国が共通して乗り越えようとしている壁であり、コンフリクトの少ない前向きな議論だ。だから、各国が中国と積極的にこの問題について情報交換をすることは「共益」なのである。この問題については隣国である日本も十分に協力できるテーマである、中国の勇気ある更なる気候変動対策、目標達成メカニズムの転換を期待したい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月2日