訪日中のベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長は15日、日本の安倍晋三首相と会談した。グエン・フー・チョン書記長は、2011年の書記長就任以降としては初の訪日。
日本とベトナムのメディアは、今回の訪日について異なる注目点を持っている。両国は確かに歩み寄っているが、各自の利益を鑑み、雰囲気に大きな差があることが分かる。
日本メディアは、南中国海と安全問題を主な注目点とした。
対照的に、国営ベトナム通信社は首脳会談に関する多くの英語の記事を掲載している。しかしその多くの内容は、双方の経済協力と人文交流で、安全協力に関する内容は少なく、「南中国海」には一言も触れていない。
日本とベトナムが、両国関係について異なる狙いを持っていることは明らかだ。日本は安全・政治関係を重視し、矛先を公然と中国に向けている。ベトナムは領土問題で公然と日本側に立とうとせず、経済協力の方を強調している。
ベトナムも過去一定期間に渡り南中国海問題で中国との対立を激化させ、国内でデモが発生したこともある。しかし中国とベトナム両国の政府の取り組みにより、緊張情勢はすでに緩和している。両国関係は正しい軌道に戻っている。
グエン・フー・チョン書記長は今年の大国の訪問で、初めに中国を選び、その後訪米し、今回の訪日となった。ベトナムの中国に対する立場が、安倍政権とまったく異なることが容易に理解できる。安倍首相はベトナムを利用し中国をけん制しようとしているが、ベトナムはそのことを知り抜いている。しかしベトナムが日本と共に中国対抗の道を歩み、大国の駆け引きに巻き込まれる鉄砲玉や犠牲者に落ちぶれようとするはずがない。ベトナムは対中・米・日関係のバランス化を図り初めて国益の最大化を実現できる。これはベトナムメディアが、グエン・フー・チョン書記長の訪日で経済を大きく取り上げ、南中国海を回避した原因でもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月17日