ベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長は訪日した際に、「新たなプレゼント」を手にした。両国首脳は、日本がベトナムに2隻の「中古巡視船」を追加供与することを決定した。
日本には、さまざまな外交の手段がある。例えば「札束外交」は金を与え、「価値観外交」は洗脳し、「地球儀外交」は各国の歴訪だ。日本は今年、「中古船外交」という新しい外交の方法を創り出した。これは退役した巡視船を、東南アジア諸国に供与することだ。
これらの船の多くは水産庁の使われなくなったボロ船で、20年以上は使用されており、処分されるはずのものだ。日本はこれまでベトナムに6隻の船舶を供与していた。そのうち2隻は漁業巡視船で、残りの4隻はなんと「漁船」だった。
ベトナムに中古の漁船を供与してどうするのかという疑問に対して、日本のネットユーザーは、「ベトナムが漁船を並べ中国の軍艦を遮り、中国海軍を海岸線付近に封鎖する」と答えている。この「非常に合理的」な解釈は、人を瞬時にして「石化」させる。日本のネットユーザーに「いいね!」と言いたくなるほどだ。
ベトナムの他に、日本の「中古巡視船」を渇望している国がある。それは「バナナの国」と呼ばれるフィリピンだ。安倍首相が2013年に訪問した際に、アキノ大統領は単刀直入に船の供与を求めた。安倍首相はこれを聞くと、すぐに快諾した。フィリピンがさらに退役したP-3C哨戒機の供与を求めると、安倍首相は直ちに表情を曇らせた。これはなぜか?飛行機が高いからだ。
日本では毎年、大量の巡視船が退役している。一部の船は「故障だらけで、黒煙が昇る」ほどだという。高齢化問題と同じく、これらの古い船の処理も大きな問題だ。米国が空母を解体するのに20億ドルも費やすのと同様、巡視船や漁船の解体も大きな支出を強いられる。ペンキを塗り直し、ガラスを取り換えベトナムやフィリピンに供与することで、解体の費用を節約し、貸しを作り、さらに中国に嫌がらせをすることもできる。安倍首相がこれを喜ばないはずがない。これは安倍首相が「中古船」の供与を快諾した原因だ。