中古船はいずれも500トン級を下回る。安倍首相は、使い道のある大型船を惜しんでいる。例えばベトナムに真っ先に供与された「昇鶴」は、1991年に建造された。全長は57メートル、重さは499トン。最高航行速度は時速14ノット(約26キロ)で、速度を上げると船員は立っていられなくなるほどだ。これでも、ベトナム当局にとっては、非常に先進的な船舶だ。
ベトナムとフィリピンの両国は、南中国海問題で中国との間に領土係争を抱えている。3カ国の漁船は、頻繁に衝突している。各国の巡視船も相次いで応援に駆けつけ、引くには引けず、衝突や放水を行っている。ベトナムとフィリピンの巡視船は中国の敵ではなく、より優れた船を必要としている。ところが彼らには、その資金がない。
日本政府はこれを傍観し、はっきり理解している。新型船は出し惜しみ、中古船は捨てるほどある。そこで日本の外務省の頭の切れる人は、「中古船外交」を創り出した。その効果は予想を大きく上回り、日本とベトナム・フィリピンの関係を強化し、さらに中国に嫌がらせをすることができた。日本はその後、ベトナムやフィリピンと首脳会談する際に、積極的に古い船舶を供与しようとした。これを繰り返すうちに、「ボロ船外交」という新たな外交の手段が生まれた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月22日