訪日中の中国の楊潔チ国務委員は14日、日本の安倍晋三首相と会談した。日本新聞網は、楊氏は日本が2012年に釣魚島(日本名・尖閣諸島)を「国有化」してから、日本を訪れた中国の最高クラスの外交官だと報じた。今回の訪日は、3年間中断している日中両国のハイレベル政治対話の再開を意味する。東中国海、南中国海、日本の集団的自衛権の行使といった問題で、双方の間には多くの食い違いと対立がある。しかし楊氏の訪日は、中国政府の対日政策が実務的・フレキシブルになりつつあることを意味している。
時事通信によると、双方は会談の中で、日中関係改善に向けハイレベル対話を促進することで一致した。安倍首相は冒頭より、「戦略的互恵関係に基づき、中日関係を発展させる。これは基本的な方針だ」と述べた。楊氏は、「中日関係の長期的・安定的かつ健全な発展は、両国と国民の根本的な利益に合致し、地域の平和・安定・発展に関わる」と表明した。安倍首相は、「秋の一連の国際会議において、中国の習近平国家主席、李克強総理と会談できることに期待する」と話した。
ウォール・ストリート・ジャーナルは14日、「日本と中国は中日韓首脳会談の開催を確認した。これは日本と中国の関係改善の最新の動きだ。安倍首相、李総理、朴槿恵大統領は今月下旬、もしくは来月上旬にソウルで会談する見通しだ。中日韓首脳会談が最後に開かれたのは2012年5月で、その後は中日関係の悪化により中断されていた」と伝えた。香港紙・南華早報は、会談が実現すれば、3カ国の首脳は経済協力、特に中日韓自由貿易協定の問題について議論すると報じた。日本はさらに来月マニラで開かれるAPEC国際会議で、安倍首相と習主席の会談を目指す。
多くの日本メディアは、双方の「対立」に焦点を絞った。共同通信社によると、安倍首相は会談の中で、中国が南京大虐殺の文書を世界記憶遺産に登録申請したことに遺憾の意を表し、「過去の不幸な歴史に過度に焦点を当てるのではなく、未来志向の日中関係を構築していくべきだ」と述べた。楊氏はこれに反論し、第二次大戦に関する件については世界で定義付けられており、歴史をしっかり認め未来を見据えることが重要だと強調した。