パリに本部のある国連教育科学文化機関(ユネスコ)の公式ウェブサイトで現地時間9日夜、今年新たに選出された世界記憶遺産の資料のリストが発表された。47件の資料には、中国が申請した南京大虐殺の資料も含まれていた。日本外務省はこれに対して10日早朝、「報道官談話」を発表し、南京大虐殺の史料の登録成功を「遺憾」とし、国連の機関として「公平」を欠いているとの見方を示した。銭江晩報が伝えた。
中国人の立場から言えば、南京大虐殺の痛ましい記憶と深い教訓とは、中国人の歴史的記憶であるだけでなく、世界の歴史的記憶であり、中国の世界記憶遺産申請は情にも理にもかなったものと言える。
南京大虐殺遇難同胞記念館は、動かしがたい事実をもって当時の中国侵略日本軍の侵略の罪を明らかにし、長年にわたって忘れられていた沈黙と真実の記憶を白日の下にさらしてきた。同時に日本人に対しても、日本の右翼勢力が閉じ続けてきた記憶の扉を開け、歴史に率直に向き合い、その教訓を忘れず、自ら受け入れるよう呼びかけてきた。だが日本の右翼分子は長年にわたって、中国侵略日本軍の南京大虐殺の暴行を弁護し、教科書においても南京大虐殺の美化を試みてきた。
現代は平和と発展の時代である。中国が南京大虐殺の関連資料を「世界記憶遺産」として申請したのは、中国人に対しては、歴史をしっかりと胸に刻み、平和を大事にし、人類の尊厳を守り続けるよう注意を喚起し、日本側に対しては、歴史への責任ある態度を取り、侵略の歴史を直視し反省するよう呼びかけるためである。我々は歴史問題を前に足踏みしているのではない。海を隔てた隣国に対し、歴史の正しい認識によって世界平和を推し進めることを希望しているのである。
人類の歴史の大河において、人類は平和を愛し、協力とウィンウィンを求め、美しい故郷をともに作るという永遠の願いを持ち続けてきた。日本がもしも軍国主義とファシズムの歴史を正しく認識せず、孤立の道を進むならば、日本が世界に求める「公平」は誰も与えることのできないものになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年10月20日