まず、米国は原爆投下の正当性を否定できない。原爆投下により数十万人が犠牲になったことは同情されるべきだが、これはいずれも日本の軍国主義がもたらしたものだ。第二次大戦末期、日本は「一億総玉砕」という本土決戦計画を打ち出した。米国は一日も早く日本に降伏を迫るため、1945年8月に広島と長崎に原爆を投下した。
核攻撃を受けた日本は本土決戦計画を諦め、8月15日に降伏した。これにより日本人の多くの犠牲が避けられた。米国の首脳が原爆が投下された場所を訪問すれば、人々は謝罪や遺憾の意を表するよう求めるだろう。これは米国の原爆投下の正当性を覆すことになる。また米国がそうすれば、自国の核兵器の使用を制限することにもつながりうる。「核廃絶」の声が後を絶たないが、この決定的な武器を米国が軽率に手放すことはない。
次に、米国は日本の「被害者」意識を助長したくない。中国の傅聡軍縮大使が、「日本は、中国人は不幸な歴史にばかり焦点を絞らないようにと願っているが、全世界が広島と長崎の被爆に注目することを願っている。これは徹底的なダブルスタンダードだ」と指摘した通りだ。米国も、腹の中ではよく理解している。米国の首脳が原爆が投下された場所を訪問すれば、「加害者」としての立場になる。そうなれば日本の「被害者」意識を深めることになる。
米国の首脳が本当に訪問すれば、それは自己矛盾であり、アジアや世界に対しても無責任だ。ゆえに米国が棄権票を投じたことは、日本の顔を立てたと言える。
しかし日本は米国の配慮に感謝していない。日本はさまざまな「被爆地」に関する提案の中で、「アニキ」の顔を立てないばかりか、さらにつけあがり米国を困らせている。本当に米国を憤らせた場合、日本を待っているのはお仕置きだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月5日