まさにそのために、中日韓は協力促進を目指し、今回の首脳会談後に発表した宣言の中で、自由貿易協定の交渉を加速することで合意したとした。これには日本の「TPPの損失をFTAで取り戻す」という思惑が込められている。中日韓はアジアと世界の重要な経済体だ。3カ国が自由貿易区を設立すれば、日本経済に対して大きな促進力をもたらす。日本はこのチャンスを利用し、TPPによる悪影響を相殺しようとしている。
しかしながら、中日韓の政府間の相互信頼水準は、FTAの交渉を阻む重要な障害になっている。中日韓が政治的な相互信頼水準を高めることは、アジアの平和と安定に対して極めて重要だ。相互信頼の再築は3カ国の政府、特に日本政府の職責だ。日本が歴史を正視しなければ、中韓の信頼を取り戻すことができず、誠意がないというマイナスイメージを与える。歴史認識問題は政治の相互信頼を損ね、地域の経済協力と発展を妨げる。(筆者:孟明銘 復旦大学歴史系日本研究博士)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月9日