▽新政策では問題解決は難しい
日本経済がリセッションに陥るのは過去20年間で7度目。これは日本が事実上、経済の疲弊からずっと抜け出せていないことを意味する。
アベノミクスの「新3本の矢」が放たれると、短期的には確かに効果が見られたが、「旧3本の矢」であれ、「新3本の矢」であれ、日本経済が直面する根本的問題を解決するのは難しい。
対外経済貿易大学金融学院の郭紅玉教授は取材に対し「経済構造改革の力不足、生産年齢人口の不足、局地経済の供給力の弱点が、日本経済成長に影響する主な要素となっている。高齢化により労働力市場の縮小が進み、需要と供給がどちらも不足している。東日本大震災、福島の原発事故などは日本の局地経済の供給力の弱点となっている。どの問題も短期的に解決できるものではない」と語った。
実のところ、世界経済が軒並み低迷する状況の中、日本経済のリセッションは何も特別な例ではない。中国国際問題研究院の魏民副研究員は「日本の問題は、世界各国が普遍的に直面している問題と同じだ。景気回復が緩慢で、通貨政策が頻繁に使用され、ゼロ金利政策が役に立たない状況の下、量的緩和政策で経済を刺激している。こうした措置は日本であれ、欧州であれ、実体経済への効果は非常に限られている」と語る。
▽「破綻」と言うには時期尚早
郭教授は「アベノミクスの最大の目的は、長期にわたるデフレ期待を変化させること。まず、インフレ政策の実施により物価を上昇させ、投資の収益性を確保する。その一方で、円安と利下げにより、資金を持って静観している人々を変え、現在の行き詰まりを打破する。この2点が実現できれば、国民の投資の積極性を引き出し、日本経済への自信を回復し、日本経済は成長を回復できる。現時点では『破綻』と言うにはまだ時期尚早だ」と指摘する。
日本は今世紀初めにも量的緩和政策を実施したが、効果が表れる前に撤回し、日本経済はすぐに二の舞となった。ゆえに、改革措置を堅持し、日本企業に投資のチャンスを与え、構造調整・社会革新のための余地を与え、国民の日本経済への自信を取り戻すことが、アベノミクスが直面する最大の課題と言えるだろう。
経済構造改革は世界経済が抱える共通の問題だ。前出の魏氏は「構造改革への一歩を踏み出さない限り、通貨政策など他の政策では経済発展を推進することはできない。これは世界経済理論、経済実践が直面する共通の問題だ」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年11月22日