「今後10年、東アジア共同繁栄のために」をテーマとする第10回「中日韓賢人会議」が、30日に韓国ソウルで開かれた。中日韓の政界・学術界・ビジネス界の出席者が、3カ国の金融・貿易、環境・エネルギー、文化・教育などの分野の事業提携について議論し、新時代の北東アジアの平和と発展の将来を模索した。
中国代表団団長、国務院元副総理の曽培炎氏が基調演説を行った。曽氏は、「複雑で困難な経済情勢を見据え、世界各国が相互協力している。地域経済一体化は、世界経済の発展の重要な流れになっているが、北東アジアの経済一体化は遅れている。これは主に歴史などの敏感な問題による妨害と干渉が原因だ」と指摘した。
曽氏は、「中日韓首脳会議が11月上旬、3年ぶりにソウルで開かれた。これは北東アジア経済統合の進展に得難い歴史的チャンスをもたらした。3カ国は会議で採択された共同宣言の精神に則り、相互信頼を促進し、互いに歩み寄り、中日韓の協力の新たな進展の実現に向け努力するべきだ」と強調した。
韓国代表団団長、韓国元首相の李洪九氏は、「今年は第二次大戦終戦70周年だ。3カ国は共に努力し、同じ一つの地球村、市場、平和共同体を構築し、世界経済の発展をけん引できる」と述べた。
日本代表団団長、日本元首相の福田康夫氏は、3カ国の文化・民間交流を強化する必要があると述べた。福田氏は中国のことわざ「国の交わりは民の相親しむに在り」を用い、国民間の相互理解が3カ国の関係改善に重要な力を発揮していると指摘した。
中日韓賢人会議は、新華社通信、日本経済新聞社、韓国中央日報社が共同発起した、3カ国の著名人によるフォーラムで、2006年より毎年持ち回りで開催されている。
韓国の黄教安首相は29日の歓迎晩餐行事で、「中日韓賢人会議は韓中日の最も重要な民間交流枠組みであり、同会議の提案により3カ国の首脳会談が実現した」と述べた。韓国国会議長の鄭義和氏は、30日の昼食会に出席した際に、「3カ国の現在最も重要かつ差し迫った問題は食い違いの解消で、相互協力のため堅固な基礎を築く必要がある」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月1日