口述歴史に力を尽くす人たち

口述歴史に力を尽くす人たち。 ドキュメンタリー監督の郭暁明氏(37)は抗戦に加わった400人以上の元兵士を取材したが、同じ歴史的事件を経験していても、各自の物語が大きく異なることに気づいた…

タグ: 口述歴史 崔永元

発信時間: 2015-12-17 13:14:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

ドキュメンタリー監督の郭暁明氏(37)は抗戦に加わった400人以上の元兵士を取材したが、同じ歴史的事件を経験していても、各自の物語が大きく異なることに気づいた。

取材は2008年から2013年まで続けられた。取材対象の元兵士には「開国少将」、国民党の下・中級士官、民兵、諜報員が含まれる。年齢は86-104歳で、すでにその半数がこの世を去っている。これらの取材内容の一部は、歴史ドキュメンタリー「我的抗戦」に反映されている。他にも「電影伝奇」「我的長征」「我的祖国」といった作品がある。これらのドキュメンタリーは元中国中央テレビ局司会の崔永元氏が率いる「口述歴史」チームが制作。郭氏はその一員だった。

口述歴史(オーラル・ヒストリー)は、経験者の記憶を通じて歴史の詳細な内容を集め、真実の事件を復元する手段だ。この概念は学術界で提唱されてから100年もたたないが、中国では自らの行動によりこの概念を実践する人がいる。

12日に北京で開催された「中国における口述歴史」をテーマとする国際シンポジウムの開幕式において、主催者側の代表者である崔氏は当初の撮影の目的に言及し、「口述歴史」との最初の接触を振り返った。崔氏は1999年に早稲田大学の口述歴史映像資料館を訪問した際に、中国の口述歴史に関する多くの映像資料を目にした。

崔氏は、「あれほど数が多いとは、想像もできなかった。私は当時テレビ局で勤務していたため、撮影したすべてのシーンを放送したかった。しかし日本側の一部の原因により、これらが放送できなくなるとは思いもしなかった」と話した。

しかしこの経験は、13年後に実を結んだ。上述した開幕式は、中国の口述歴史に関する初の大規模な国際交流活動だ。中国伝媒大学の崔永元口述歴史研究センター内に設置された、初の映画芸術に関する展示館(計5館)の除幕式も開かれた。これらの展示館は中国伝媒大学の4階建ての建物内に位置する。しかし研究センターの野心は、これだけに留まらない。

研究センターは12月8-14日に「口述歴史国際ウィーク」を主催し、北米・欧州・アジア・国内(香港・マカオ・台湾地区を含む)の口述歴史研究者、専門家・学者、関連する識者を招待し、口述歴史の中国における発展について議論した。

研究センター長の丁俊傑氏は、「研究センターは中国伝媒大学の教育の強み、業界内の資源により、口述歴史を専門的な学科にしようとしている。より大きな社会の力、専門的な力により、中国の口述歴史の専門化に関する研究・収集・整理作業を推進できる」と語った。

資金や面積などの問題により、展示できない資料も多い。崔氏は、「展示されていなくても役に立つ。この民族と土地における人々が歴史を理解しようとする時が来れば、これらの貴重な資料を活用することができる」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月17日

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