日本の軍事支出が大きいことを日本の軍国主義復活の裏付けと主張する人もいる。だが関連する統計によると、日本の軍事費は確かに世界第3位で米国と中国に次いで多いが、軍事費のうち45%は人件費である。新たな武器を調達する費用は軍事費全体の28%前後を占めるにすぎない。さらに調達されるのは多くが日本国内で製造された武器であり、その価格は外国製の武器の3倍はする。このような軍事支出は、軍国主義の復活を目標としたものとはとても考えられない。
もちろん最も根本的なポイントは、中国がすでに立ち上がったということである。中国の国力と軍事力は十分に強大で、過去のようにたやすく圧迫されることはない。日本が好き勝手に中国を侵略できた時代はもう過ぎ去ったのである。中国は、日本の右翼分子が起こす騒動を恐れることはなく、疑心暗鬼に陥ってびくびくする必要もない。もちろん日本の右翼勢力の動向には注意すべきだが、日本が軍国主義を復活させたとか、復活を目論んでいるとかいうのは、事実と異なると言わざるを得ない。
ある学者は、「日本で軍国主義が復活しつつある」という観点を提出し、社会的にも一定の影響を生んでいる。このような判断のねらいは、中国の厳正な立場を強化し、人々の注意を高めることにあるのだろうが、事実と異なる。両国間の双方向的な悪循環を減らすためには、両国民は団結し、中日関係を理性的に認識し、日本の過激な勢力の悪影響に合理的に対処する必要がある。(上海師範大学人文学院歴史学科教授・蕭功秦)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年12月20日