安倍首相は小賢しい計算をしているが、プーチン大統領にも計算がある。制裁を受けるロシアの政治・経済は、ある程度の苦境に陥っている。日本がロシアに求めるものがあるならば、プーチン大統領も自ずとこれを利用し、経済・貿易のチャンスを模索し、西側の制裁を打破しようとする。呂氏は、「ロシアは安倍首相の狙いをよく分かっている。領土問題は建前に過ぎず、ロシアは機を見て動くだろう」と判断した。朝日新聞は、ロシアが地方都市を会談の場所として提案しているが、これはロシア側の態度を示していると報じた。
◆狙いは空振りか
安倍首相が一人だけ乗り気になっている両国の首脳会談が最終的に実現されるかについては、多くの不確定な要素が存在する。米国の態度も、その一つだ。米国も機会を借りロシアを抱き込み、朝鮮の核問題で一定の支持を得ようとしているが、日露の過度な歩み寄りを許すはずがない。
欧米諸国の感情も、安倍首相が注意すべき問題だ。共同通信社によると、安倍首相は「非公式訪問」であることを強調している。これは日本がロシアに歩み寄る印象を与えることで、欧米諸国から反発を招くのを回避するためだ。
安倍首相の行動には限りがあり、ロシア側の態度も積極的ではない。安倍首相の独りよがりなやり方は外交の手段に過ぎず、この小手先のテクニックがロシアの外交の原則に変化を生じさせることはない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月28日