マイナス金利を導入、日本経済は難航が予想

マイナス金利を導入、日本経済は難航が予想。

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発信時間: 2016-02-03 14:47:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

先週末の米国株式市場の高騰、日本銀行のマイナス金利政策の決定、円安といったさまざまな要因により、今月1日の東京証券取引所は高値で推移し、日経平均株価は1.98%上昇した。

日銀はこのほどマイナス金利政策の実施を発表すし、2%のインフレ目標達成の時期を「2016年下半期」から「2017年上半期」に延期した。マイナス金利が適用されるのは金融機関が日銀に預けた預金のうち、預金準備を超過した部分であり、個人・法人の普通預金には適用されない。日銀はこれまでこの超過部分の預金の金利を0.1%としていたが、2月16日からはマイナス0.1%となる。これは金融機関が預金することで、銀行により多くの金額を支払うようになることを意味する。日銀はこの措置によって、銀行が実体経済への貸出を増やし、経済成長を促すことを狙う。

2013年4月、日銀は国債の購入を主な手段としてマネタリーベースの拡大を目指す金融緩和政策を打ち出した。2014年10月には国債の購入規模を、当初の年間50兆円から80兆円に引き上げた。ところが日銀が市場に投入した資金は、期待通り実体経済に流れ込むことはなく、その多くが普通預金の形で日銀の口座に戻ってきた。統計によると、現在、銀行をはじめとする金融機関が日銀に預ける預金は約253兆円に上り、金融緩和実施前の13年3月の4.4倍に増えたが、同期の貸出の増加率は8.3%のみとなった。

国債購入の余地が狭まっている。研究機関の試算によると、日銀は発行された国債の3割以上を保有しており、現在のペースで購入を続ければ2018年には6割を保有することになり、市場操作がほぼ不可能になる。市場は日銀のマイナス金利政策を「意外」と形容した。実際、日本の経済情勢と日銀の政策目標との開きが拡大するようになってから、すでに長い時間が経過している。

日銀は当初、2%のインフレ目標を2年で達成する予定だった。円安の後押しを受け、日本の輸出企業の利益と納税額、雇用市場のデータは約20年ぶりの高水準となった。しかし昨年下半期に原油価格が下落すると、2015年の日本の生鮮食品を除いた消費者物価価格(CPI)は前年比0.5%上昇にとどまり、直近の3カ月はさらに低下して0.1%前後を徘徊している。国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費は4カ月連続で減少している。総務省の統計によると、2015年12月に日本の2人以上の世帯の月平均消費額は約31万8200円で、物価変動要因を考慮した実質減少率は4.4%だった。日銀は1月29日に2016年のCPI上昇率予測を、従来の1.4%から0.8%に下方修正した。インフレの見通しが悪化したこと分かる。日銀のインフレ目標の達成時期の延期はこれが3回目だ。

マイナス金利に対する市場の見方にはばらつきが見られる。マイナス金利により銀行が国債を売り惜しみ、マネタリーベースが減少し、日銀の狙いとは逆の結果になるという分析もある。日本の内需減少の根本的な原因は少子高齢化で、かつ低金利政策が長年維持されている。マイナス金利が企業投資をどれほど刺激するか、様子を見る必要がありそうだ。

みずほ総合研究所市場調査部の長谷川克之部長によると、「バブル時代」でさえ日本のインフレ率は2%を超えなかった。この目標達成は非常に困難だ。2%を達成するためには、企業の昇給率を4%以上にしなければならない。ところが日本の主要企業の今年の昇給率は、2.5%以下と予想されている。金融緩和策は成長を刺激するが持続可能ではなく、構造改革の加速こそが根本的な解決策だ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月3日

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