米国務省は現地時間13日、ヒラリー・クリントン前国務長官の在任中の551通のメールを公開した。日本政府が釣魚島(日本名・尖閣諸島)の「国有化」を行い日中関係が悪化した際に、当時のキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が「意図の読み違いによる甚大なリスク」があるとして、対立沈静化のため元米政府高官らによる特使団の派遣をクリントン国務長官に進言していたことが分かった。
日本新聞網は14日、日本が釣魚島の「国有化」を行ってから約3週間後の2012年10月2日、キャンベル氏が「日本・中国」を件名とするメールをヒラリー氏に送り、その前に実施された日米・米中外相会談について触れ、「(釣魚島の)摩擦が長期化すれば、地域安定が損なわれると同時に、中国と日本の態度が強硬になる」としていたと報じた。共同通信社によると、キャンベル氏は「メンツを潰さず膠着状態を打破する方法」を探さなければならないとして、2週間内に高官らによる特使団を派遣するよう中日に提案していた。キャンベル氏は特使団の派遣について、米国は「仲介者」として過度な参与を避けるべきだと主張していたが、本件には米国の「積極的な取り組み」を示すメリットがあるとした。日本新聞網によると、キャンベル氏はメールで、「迅速に決定を下す必要がある、スピードが不可欠だ」とヒラリー氏を促した。キャンベル氏がメールを送信した6分後、ヒラリー氏は「本件を推進すべき」と回答した。日本新聞網によると、キャンベル氏はメールの中で、中日両国の説得に乗り出す候補者リストを記したが、国務院はこのメールを公表する際に処理を施し、該当部分を見えなくした。
共同通信社は、日中の対立のエスカレートによって不測の事態が生じる可能性を米国が認識し、これに強い危機感を抱いていたことがメールによって証明されたとした。知日派のアーミテージ元国務副長官、ナイ元国防次官補らは同年10月下旬、日中を非公式訪問し、当時の野田佳彦首長と李克強副総理らと会談した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月15日