もう一つの家電大手のソニーの窮地脱出の道は再編である。2008年から2014年まで、ソニーは6年も赤字を計上した。米国育ち、英語に精通した平井一夫氏は危機一髪のところで社運を任され、そのユニークな米国式リーダーシップは老舗のソニーを生まれ変わらせた。
平井氏は着任早々、「One Sony」というスローガンを打ち出し、部門間の壁を破り、企業効率の全体的な向上を目指した。先行きの不透明なノートパソコン業務を切り捨て、赤字続出のテレビ業務を独立させた。
米国のオープンな文化に浸かってきた平井氏は、日本の大企業の硬直化した制度に大きな不満を持っている。たとえば、カメラ部門において、コンパクトカメラの売れ行きへの影響を懸念しトップレベルの技術をスマホ部門に渡すことを嫌がっている。平井氏は両部門の壁を破り、ソニーのスマホZシリーズ向けにカメラ部門がレンズとセンサーを提供し、そして両部門が共同で写真の無線送信技術を開発するよう要求した。こうした改革措置により、移動端末ともっとも相性のいいカメラとアップルを凌ぐ画質を誇るスマホが誕生した。
ソニーが発表した2015会計年度第3四半期(2015年10-12月)財務諸表によると、同社の純利益は前年同期比33.5%増の1201億円に達した。
シャープ、パナソニック、ソニーの窮地脱出の経験をまとめてみると、「オープンな態度で技術革新と国際資本を受け入れる」、「強い意志でモデル転換を遂行する」、「硬直化した経営体制を破り企業の優れた資源を再編する」の3つに総括できる。今の時代、企業が長く生きていくためにはオープンな姿勢で未来に向かうことが重要である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月2日