英国籍の核物質運搬船が21日、茨城県東海村の港湾に入り、331kgのプルトニウムを積み、同日中に米国に向かった。これは米日が核燃料の返還で合意したあと、日本が初めて米国に返還した核燃料だ。
共同通信社などのメディアは21日、原子力研究開発機構で保存されている、核兵器を製造可能な高濃度プルトニウムは331kgに達し、40−50発の核弾頭が製造できる量に相当すると報じた。英米仏は70年代、科学研究目的で日本にこれらの高濃度プルトニウムを提供した。
米国は2010年から何度も返還を求めてきたが、日本側は「高速炉臨界装置の研究に必要不可欠」として消極的に対応していた。2014年にオランダで開かれた第3回核セキュリティ・サミットで、米国と日本はこれらの核燃料の返還で合意に達した。米日は331kgの高濃度プルトニウムの返還により、合意内容を初めて履行した。
しかし原発の核廃棄物から抽出するといった手段により、日本は約48トンの低濃度プルトニウムを備蓄している。これは日本の民間核エネルギー利用の合理的な範囲を超えており、国際社会から注目を集めている。米カーネギー国際平和財団上席研究員のジェームズ・ アクトン氏は、今月上旬に東京で、日本が備蓄しているプルトニウムはアジアの緊張を刺激し、核兵器を狙ったテロのリスクを拡大すると批判していた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月22日