「第1回世界観光発展大会」(5月18~20日)の北京での開催をひかえ、国連世界観光機関アジア太平洋センターの浅沼唯明代表はこのほど、中国国家観光局駐大阪事務所で新華社記者の取材を受け、「第1回世界観光発展大会の北京での開催は、中国の観光大国としての地位を際立たせるもので、その意義は大きい」と語った。
浅沼氏によると、2014年のデータから見ると、中国はすでに、海外への観光客輸出国としては世界最大、海外からの観光受け入れ国としては世界第4位の地位にある。大まかな推定によると、2015年の中国から海外への観光客数は延べ1億2千万人、海外から中国への観光客数は延べ1億3300万人だった。中国人の海外観光は今後も増え続け、世界の観光業に占める中国の比重は引き続き拡大していく見通しだ。
「このことは中国がすでに観光大国となったことを意味している。世界観光発展大会の中国での開催は自然なことだ」と浅沼氏は語る。
今年5月に北京で開催される第1回世界観光発展大会は、中国政府と国連世界観光機関が共同で主催し、国家観光局と北京市人民政府が共同で開催を請け負う。「観光は平和と発展を促進する」がテーマで、「平和促進」「発展促進」「貧困扶助促進」の3トピックが決まっている。
浅沼氏は、中国政府が観光による「平和促進」を大会トピックの一つとしたことを高く評価している。浅沼氏によると、日本では観光は「平和産業」と言われる。平和がなければ、観光業を展開することはできない。逆に言えば、観光業は人々の相互理解を促進し、平和を実現する力を持っている。
浅沼氏は、中国の歴史や文化に対する造詣も深い。中国にはたびたび訪れており、訪中回数は100回を超える。中日両国の今後のさらなる観光交流拡大について、浅沼氏は独自の見解を持っている。特に重要で将来性があると考えているのが、中日両国間の多様な「文化の旅」だ。中国人観光客にとっては、仏教が中国から日本に伝来した歴史を知り、鑑真和上などの有名な歴史的人物のエピソードに触れるツアー、また中国文化を愛する多くの日本の年配者にとっては、漢詩講座や陶磁器作りの体験などにからめたツアーが魅力的となる。
「文化は単独ではなかなか存在できず、相互に影響を与え合っている。文化交流を通じた平和の追求は、観光の新たな領域を開く偉大な挑戦だ。ともに前進しましょう!」と浅沼氏は世界観光発展大会にメッセージを寄せている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月30日