6日付産経新聞は一面の記事で、「海上幕僚監部(日本の海上軍事力の管理と指揮を担当)は5日、インドネシア海軍が今月中旬に主催する多国間共同訓練に、海上自衛隊の大型ヘリコプター搭載護衛艦『いせ』を参加させると発表した」と報じた。海上自衛隊の護衛艦「ありあけ」「せとぎり」、および「おやしお型潜水艦」は3日、スービック湾に寄港した。
南中国海に間もなく派遣される「いせ」は、海上自衛隊によって実に謙虚に「大型ヘリコプター搭載護衛艦」と称された。ところが国際的に認められている基準によって区分すると、「いせ」は海上自衛隊が持つ准空母の一つだ。同艦の全長は197メートル、幅は33メートルで、空母の標準スペックである「全通型飛行甲板」を持ち、同時に4機の大型軍用ヘリが離着艦できる。その対潜・偵察・警戒・監視能力は海上自衛隊の中で指折りで、世界的に見てもトップクラスだ。また艦首から艦尾に達する「全通型飛行甲板」により、「いせ」は将来的に、短距離・垂直離着陸が可能な固定翼戦闘機を搭載できる。同艦は瞬時にして、攻防を兼ね備えた、正真正銘の航空母艦に様変わりするだろう。
計画によると、先ほどスービック椀に寄港した「ありあけ」と「せとぎり」は6日の出港後、南中国海を渡りベトナムのカムラン湾に向かう。日本メディアは「おやしお」の行き先については報じていない。「いせ」と合流し次の行動に備えるかについては、現時点では不明だ。しかし自衛隊が潜水艦と准空母を同時に南中国海に出現させたことで、同海域で中国の主権範囲内の任務を遂行するすべての中国艦の安全を脅かし、挑発していることは間違いない。
日本海軍の潜水艦と空母は70年以上前に、南中国海を我が物顔で航行していた。この鉄の猛獣が最終的に東南アジア諸国と日本に何をもたらしたかについては、まだ記憶に新しいところだ。70数年が過ぎ去った今、海上自衛隊の潜水艦と准空母が、南中国海で「存在感」を示し始めている。当時も今も、「共存共栄」、「航行の自由」という立派なスローガンと旗印を掲げている。どうやら健忘症の日本に対して、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ことへの注意を促す必要がありそうだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月8日