米大統領選の共和党指名候補争いでトップを走る実業家のトランプ氏が先ほど、米軍撤退の可能性に言及した。日本の安倍晋三首相はウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じた際に、日米同盟の必要性を強調し、「今、予見しうるなかにおいて、 アメリカのプレゼンスが必要ではないという状況は考えられない」と述べた。
「正常な国」の地位を求めてきた日本にとって、米国の支配から逃れ、自主的な安全政策を実現できるとは、まさに願ってもないことだ。安倍首相の上述した発言は、やや不可解に思える。
日本からすれば、在日米軍の存在は短期的に、日本の政治・安全の需要に合致する。日本が完全に「大人」になる前に、真の「離乳」は実現不可能だ。
政治的な影響力は、在日米軍の後ろ盾により形成される。日本は経済の巨人だが、政治の小人だ。日本は米国との同盟関係により、自国を米国としっかり結びつけ、自らの政治的狙いと外交の目的を実現しようとしている。米国の支援と米日同盟関係の影響がなければ、日本の国際舞台における影響力は大幅に低下するだろう。
安全政策の調整は、在日米軍による「照れ隠し」が必要だ。米軍の駐留に同意する日本の「日米安全保障条約」は、1951年に調印された。その内容は変化を経ており、本質は当初の日本の安全保障から米日の軍事協力に変わっている。日本は比較的平等な地位を手にした。今年3月より正式に施行された安保法により、日本の自衛隊は米軍と共に、地球上のすべての場所で共同作戦を展開できるようになった。こうして日本が今後、戦争を発動するハードルが大幅に引き下げられた。第二次大戦の敗戦国である日本が、軍事的な盲進の道を歩み続けられるのは、つぎの重要なテクニックのおかげだ。日本は「集団的自衛権」を口実とし、自国を米国の戦車に縛り付け、米国の黙認と支持を受けているのだ。日本の集団的自衛権は現在、限定的な容認に留まっている。しかし長期的な目標を持つ安倍首相の一連の動きは、いずれも日本の「専守防衛」政策を根本から覆すことを目的としている。
領土・主権を巡る係争は、在日米軍の応援が必要だ。日本は現在、中国、ロシア、韓国と島の主権を巡る係争に陥っている。米国は日本のために「火中の栗を拾う」ことはできないが、日本は在日米軍の存在を力強い抑止力とみなしている。
安倍首相の発言は本音ではなく、現状に対する「実務的」な発言と言える。また米国の大統領の当選者が決まらぬうちに焦って本音を漏らせば、その他の候補者が当選した場合に嫌な顔をされるだろう。そのため本音がどうあれ、安倍首相が在日米軍問題で控えめな姿勢を示すことは、日本にとって悪いことではない。だがその本音と未来の安全政策の動向については、引き続き警戒が必要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月19日