これをきっかけとし、日本各地の市民が次々と訴訟を起こすことになる――日本メディアは21日、500人超の市民が今月26日、安保法は「違憲」だとして、日本政府を相手取り東京地方裁判所に訴訟を起こし、国家賠償を求めると報じた。これは安保法施行を受けた、国民が政府を訴える大きな動きの始まりに過ぎない。今年6月頃、大阪や広島などの市民も、現地の裁判所に対して同様の訴訟を起こす。
21日付東京新聞によると、弁護士や第二次大戦の被害者らでつくる「安保法制違憲訴訟の会」が20日、東京・永田町の参院議員会館で集会を開き、上述した約500人が原告となり、政府を相手取り訴訟を起こすことを発表した。この原告団は第二次大戦中の原爆や空襲の戦争被害者、基地周辺住民らからなる。
共同通信の21日の報道によると、「安保法制違憲訴訟の会」の共同代表である寺井一弘弁護士は、「司法が沈黙を守れば、平和国家の基盤に変化が生じる。訴訟により安保法を廃案に追い込むのが最終目的だ」と話した。同団体のもう一人の共同代表である伊藤真弁護士は、「国民の意志に背き安保法を制定した。与党の行為は一種の政変だ」と述べた。 上海外国語大学日本文化経済学院の廉徳瑰教授は、「日本の市民が政府を相手取り地方裁判所に告訴しているが、一般的には政府寄りの判決が下される。国民寄りの判決であっても、政府に対して拘束力を持つかは別問題だ。大阪地方裁判所の市民が以前、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝は違憲だとして訴訟を起こし勝訴したが、日本政府は参拝を続けている。このように日本政府が判決に従わない例は少なくない」と指摘した。
今回は日本社会で起きた、安保法を巡り初めて起こされた「違憲訴訟」だ。共同通信によると、今年5月末、数百人が大阪地方裁判所に訴訟を起こす予定だ。広島と長崎の市民も、6月中の訴訟を目指している。メディアによると、札幌、京都、福岡などの市民も、安保法を巡り訴訟を起こす準備を進めている。
記者が21日、日本のウェブサイトとSNSを閲覧したところ、多くの市民がこの訴訟を支持していた。「安保法廃案により日米関係がめちゃくちゃになるが、外交のために憲法を変え、日本人を戦場に送ることはできない」「安倍政権は当時、多くの市民の反対を押し切り安保法を可決した。今回の訴訟に加わる弁護士と裁判官が圧力に耐えられるかが、訴訟の成否を決めるカギになる」といったコメントが寄せられていた。
廉教授は、「安保法のような右傾化の動きは、国民からあまり支持されていない。日本では反対者が多い。しかし日本政府は、これによって政策を変えることはない。安保法は、安倍政権の理念だ。また安保法を廃案にすれば、日本は米国に顔向けできない。両国は日本の集団的自衛権の行使を規定する、新たな日米防衛協力指針に調印している。そのため安保法の実施は、もはや不可逆的だ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月22日