安倍氏、任期内の改憲が困難に

安倍氏、任期内の改憲が困難に。

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発信時間: 2016-04-22 15:52:36 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

熊本地震後、震災復興が日本政府の最も重要な課題となっている。安倍政権と自民党内では、7月の参院選に合わせ「衆参同日選挙」を見送るべきという声が高まっている。同日選挙を見送れば、安倍首相の改憲計画が乱れ、任期内の改憲が水の泡となる。

衆参同日選挙が困難に

安倍首相は20日、自民党の谷垣禎一幹事長と会談し、地震対策に全力を注ぐことを確認した。谷垣幹事長は同日、公明党の井上義久幹事長と国会運営について協議し、熊本地震の対応を優先することで合意した。自民党の二階俊博総務会長は、公明党の漆原良夫中央幹事会会長との会談後、現在は震災復興に全力をつくすことが最も重要であり、「衆参同日選挙」については今後判断すると記者に話した。

安倍首相はこれまで、任期内の改憲実現を目指すと表明していた。改憲のハードルとなっているのは参議院の3分の2以上の議席数だが、衆院解散による「衆参同日選挙」は、安倍首相が握る重要なカードだ。熊本地震で被害が拡大するなか、安倍首相が「衆参同日選挙」に踏み切れば、党内と国民から強い反発を受けることになる。

地震の打撃を受ける経済

また現在の日本の経済状況は、安倍政権にとって極めて不利だ。今年以来、日本経済は世界経済の減速と円高による影響を受け、成長の原動力が不足している。熊本地震は日本経済にとって、紛れもなく泣きっ面に蜂だ。

安倍首相は20日、緊急災害対策本部会議(第11回)で、被災地の食品や水などの救助物資を購入するため、2016年度当初予算の予備費から23億円を使用することを発表した。復興支援の拡大に伴い、政府はさらに多くの資金を費やすことになりそうだ。政府が巨額の財政赤字に直面するなか、熊本県の被災地の復興は、政府の重い負担となる。

熊本地震が日本経済にもたらした衝撃も過小評価できない。例えば熊本地震による部品工場の操業停止により、トヨタ自動車は19日に国内26本の自動車組立ラインの稼働を停止した。これによりトヨタに300億円以上の損失が生じる見通しだ。

重傷を負うアベノミクス

また安倍政権が取り組む重要な経済・財政戦略も重傷を負っている。政府と与党は19日夜、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)法案の今国会成立を見送ることを決定した。熊本地震、野党の国会での強い反発が、国会の議事日程に影響を及ぼしていることが原因だ。法案の4月末までの成立は、すでに望みなしとなっている。財政建て直し重要措置である10%への消費増税も、課題に直面している。

おおさか維新の会の片山虎之助共同代表は20日、安倍首相との会談の中で、熊本地震の損失の拡大を鑑み、消費増税を見送るよう要請した。菅義偉官房長官は同日の記者会見で、消費増税見送りを否定したが、安倍政権は同問題で今後ジレンマに陥ることだろう。

選挙と経済が苦境を迎えるなか、安倍首相の任期内の改憲の願いも、実現からますます遠ざかっている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年4月22日

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