日本の朝日新聞によると、岸田文雄外相は23日、今月広島市で開かれたG7外相会合を前に、米国のケリー国務長官に対して「決して米国に(原爆投下への)謝罪を求めているわけではない」と繰り返し伝え、広島平和記念公園への訪問を促していたことを明らかにした。岸田氏はケリー氏に対して、「人類の悲劇は再演されるべきではない。核保有国の米国がこれを理解し、核なき世界という目標を実現するため広島を訪問することを願う」と述べた。米国国内では、広島への原爆投下は正当な行為であり、これが終戦を早めたとする強い民意がある。日本は事前に米国に謝罪を求めないことを明らかにし、同国首脳による広島訪問の環境を整えた。共同通信は24日、ケリー氏はこの70数年間で初めて広島を訪問した米国の国務長官であり、オバマ大統領が5月に訪日し、G7サミットに出席する機会に広島を訪問する可能性もあると報じた。
日本はオバマ大統領の訪日に期待している。日本の各主流メディアは、オバマ大統領の広島訪問を積極的に推進することは「非常に必要」としている。朝日新聞は社説で、オバマ氏が米国の大統領として被爆地を訪問し、核廃絶の姿勢を示すことができれば、計り知れない影響力を発揮できると論じた。22日付日本経済新聞は米政府筋の話として、米国政府がオバマ大統領のG7サミット会期中の広島訪問を決定したと報じた。しかし米国の政治情報サイトによると、オバマ大統領は22日に記者の質問に回答した際に、広島訪問に関するコメントを控え、「この質問はアジア訪問のタイミングでも遅くはない」と述べたという。同サイトはオバマ大統領の広島訪問について、当局者に質問した。当局者によると、まだいかなる決定も下されていないという。ロイター通信によると、外交マナーに従うならば、この訪問日程は米国側から発表されるべきだ。日本の菅義偉内閣官房長官は22日の記者会見で、「米国大統領のスケジュールは、米国が決めることだ。(日本)政府は論評を控える」と述べた。
外交学院国際関係研究所の周永生教授は、「日本は米国首脳の広島訪問を願っている。最終的な目標は米国に謝罪させることだが、現時点で実現の可能性はない。そこで日本は下準備を開始した。米国首脳の広島訪問の情報を流し続けることは、日本の外交戦略だ。大きな進展が実現しがたい場合、日本は漸進的な方法により小幅前進し、最終的に画期的な進展に至ることで、相手に実質的な問題での譲歩を迫ることが多い」と分析した。
周氏は、「オバマ大統領は米国の歴史上初めて非核化を提案した大統領だ。広島は世界で初めて核攻撃を受けた場所だ。この点からすると、オバマ大統領が広島訪問に同意する可能性を否定できないが、謝罪することはないだろう。謝罪は米国の第二次大戦中の対日作戦を否定することになるからだ」と話した。
米サイトは23日、「オバマ大統領の広島訪問については、国内で常に異なる意見が存在する。トルーマンが日本への原爆投下を指示したことにより、20万人が命を失ったと批判する人もいる。しかしその一方で、原爆を投下せず通常通りの戦争を進めていたならば、それによる死亡者が数百万人に達したはずだと考える人もいる」と報じた。
USニューズ&ワールド・レポート誌によると、ジョン・ルース元駐日米国大使は、オバマ大統領が(広島を)訪問する意向を持ち、自身の歴史に対する尊重を示そうとしていると判断した。核なき世界は、オバマ大統領の長期的な願いだ。しかしオバマ大統領は、米国が当時原爆投下に踏み切った原因が、降伏を拒む残忍な帝国主義国にあったと日本に注意するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月25日