・企業が投資に消極的
物価が伸び悩むほか、当期の設備投資データも日本政府を失望させている。日本政府は設備投資を、経済成長の重要なエンジンの一つとしている。設備投資を奨励するため、安倍政権は法人税減税計画を立て、現行の32.11%から30%以下に引き下げようとしている。
しかし第1四半期の経済データを見ると、日本企業は法人税減税により投資を拡大していない。当期の設備投資は前期比1.4%減となった。昨年第3四半期は0.7%増、第4四半期は1.2%増だった。
日本企業の投資は第1四半期に減少した。これには円高という要因もあるが、日本経済の安定成長に対する企業の不信感が根強い。
ドル円相場は年初の約1ドル=119円から108円となっており、輸出企業に痛手を負わせている。自動車大手のトヨタは円高の影響により、2016年度(今年4月1日から)の収益が5年ぶりに減少すると予想している。アベノミクスによる近年の円安、海外市場での販売増により、トヨタは好調な業績をキープしてきた。
日銀が四半期ごとに発表する「企業短期経済観測調査」によると、今年3月の大企業製造業の業況判断指数(DI)は、昨年12月から半減した。またサービス業を含む非製造業の3月のDIも、1年半ぶりに低下した。今回の調査によると、日本全業界の大企業は2016年度に、資本支出を0.9%減らす方針だ。これは未来の経済情勢に対する消極的な観点を浮き彫りにしている。
日本の多くの大企業(特に輸出企業)はこれまでの3年間に渡る円安により多くの利益を手にしたが、この利益によって投資を拡大するのではなく、現金として留めようとしている。日本の大企業が握る現金は、2015年度に10年前と比べ32.4%増となったが、固定資産投資の伸び幅は16.3%のみだった。輸出の疲弊と国内の消費不振という二重の圧力を受け、日本企業が盲目的に投資を拡大したがらない現状が反映されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月19日