2001年の工作船事件は、海上自衛隊の制海能力の不備を露呈した。さらに2011年の東日本大震災の自衛隊のお粗末ぶりは、この武装力が戦備と士気の面で信頼性が不足していることを示した。シーパワーの天秤は、すでに中国側に傾き始めている。しかも中国は高い潜在力を持ち、将来的に差を広げていくことになる。中日の釣魚島の駆け引きは、すでにこれを十分に証明している。日本にとって、今は東中国海で中国と戦略的な駆け引きを展開する最高のチャンスであり、このチャンスを失えば中国と駆け引きする実力と資本を失うかもしれない。
最後に、日本の東中国海の戦略的地位に対する認識のためだ。東中国海は中国が面している4大海洋の一つであり、中国で最も豊かな南東の沿岸部は、東中国海の沿岸部だ。また東中国海は南中国海と黄海を結ぶ戦略的な海域であり、太平洋の入り口である台湾及びその付属島嶼(釣魚島)も東中国海に位置する。中国の東中国海におけるガス田掘削は、この海域に対する支配力の強化を意味している。これは日本が目にしたくないことだ。日本にとって、中国が自国の正当な海洋権益を守っているとしても、中国のプラスは日本のマイナスだ。そのため日本は国際法と最低限の外交儀礼と国際的な慣例を顧みず、中国に対して荒唐無稽な抗議を行った。
上述した通り、日本はさまざまな目的から、中国の東中国海ガス田開発に対して、非友好的な抗議を行った。中国が海洋強国になろうとするなか、中日間の海をめぐる駆け引きが続けられる。日本が海から中国を包囲するという不適切な理念を捨てなければ、この駆け引きは日本が望まぬ結果を生むだろう。第二次大戦の結果は、隣国の財産を奪おうとすれば、富であろうと名声であろうと、最後に痛い思いをするのは自国であることを十分に証明している。(筆者:馬堯 上海外国語大学国際関係・公共事務学院客員研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月7日