殺人・遺体遺棄事件による人々の怒りがおさまらぬなか、別の米兵が夜間外出禁止令にも関わらず酒酔い運転し、日本人2人に怪我を負わせた。また5日発表された沖縄県議会議員選挙の結果によると、米軍普天間基地の県内移設に反対する候補者が、過半数の議席を占めた。
民間の呼び声が高まっているが、日本政府はさまざまな原因により「火消し」をできずにいる。米国の大統領選も、日米同盟に変化をもたらしている。国内外の影響により、在日米軍は日米関係の抜くことのできない「トゲ」になっている。
在日米軍のドーラン司令官は5日の緊急会議で、「綱紀粛正の措置を講じ、秩序と紀律を維持する」と述べた。
日本側が在日米軍に抗議したのはこれが初めてのことではないが、抗議は日米同盟の特殊な関係により「不十分」になっている。在日米軍はすでに「事件発生、謝罪、事件再発」という悪循環を形成しており、日本人の間で強い反感を生んでいる。
米兵による沖縄での強姦や暴力などの事件は、これまでも珍しくなかった。彼らの「後押し」をしているのは、日米が締結した「日米地位協定」だ。
同協定によると、米軍の軍人もしくは米軍属が勤務中に罪を犯した場合、日本の検察側は起訴することができず、米国側が司法権を行使する。同協定はまた、特定の事件において、米国側の容疑者は自ら望まない場合、日本の検察側の取り調べに応じる必要はないと規定している。
アシュトン・カーター米国防長官は圧力を受け、今月4日に中谷元防衛相とシャングリラ会合の会期中に会談した。双方は地位協定の米軍属の法的地位を見直すことで合意した。
カーター国防長官の「見直す」とは、地位協定そのものの改定を指しているのではなく、米軍属の法的地位の「整理」による犯罪防止を指していることに注意が必要だ。
外交学院の周永生教授は、米国側の遠回しのやり方について、「地位協定の改定の可能性は低い。米国は治外法権により米兵を保護し、在外米兵の国家への貢献の積極性を高めようとしている」と指摘した。
ましてや、米国は各国に兵士を駐留させているのだからなおさらだ。米国防総省は、日本の改定の要求に応じれば、他国とのバランスを乱すことになると表明している。