関係者は27日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染廃棄物を巡り、放射性物質濃度が基準以下となった土などを全国の道路や防潮堤などの公共工事で再利用する環境省の方針について、同省の非公開会合で「再利用後、放射性物質として扱う必要がなくなる濃度に減衰するまで170年かかる」との試算が出されたことを明らかにした。日本メディアが伝えた。
環境省の担当者は「工事完了後も管理し、年数で区切ることは考えていない。今後実証試験などを通じて適切な方法を確立する」としているが、補修の際の具体な対応策などは決まっていない。通常の環境で、長期的な管理を必要とする物質を使用することが安全であるかが、再び疑問視されている。
環境省の方針によると、汚染土壌の用途は道路や防波堤などの公共施設のみに限られている。施工者および周辺住民の年間被曝量を1ミリシーベルト以下にするため、環境省はセシウムの濃度を1キログラム当たり5000−8000ベクレル以下とするよう規定。
またコンクリートもしくは土をかぶせることで、竣工後の周辺住民の年間被曝量は0.01ミリシーベルト以下に抑えられる。環境省は近日中に、正式に決定を下す。
関係者によると、同計画を許可する専門家会議の下部組織による非公開会合で発表された試算によると、濃度5000ベクレルの土壌を再利用する場合、放射性物質として処理する必要のない100ベクレル以下まで自然減衰するためには、170年かかるという。
通常、原発廃炉後に生まれる放射性廃棄物は、濃度が100ベクレル以下ならば無制限で再利用できる。しかし今回規定された再利用基準は、最高で100ベクレルの80倍に達する。かつ災害発生時に放射性物質が漏えいする恐れがあり、反対の声もあがっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月28日