大学の友人との集まりで(前列の左から2人目)
湖南省岳陽出身の周林萱さんは今年1月、「日本留学試験」と日本の大学試験に見事合格し、広島大学法学部一年に在籍する唯一の中国人学部生となった。
岳陽市第一中学(高校)に通っていた周さんは、中国の大学統一入学試験の準備をしていたほかの同級生とは違う道を選んだ。2014年9月、高校2年の合同試験を終えた後、上海外国語大学海外合作(協力)学院で日本語を学び、「海外入試」の準備を進める道を選んだのである。
周さんが日本の大学に行くことを決めたのは、2014年の夏休みに家族と行った北海道と東京への旅行がきっかけだった。日本の魅力を身をもって感じた周さんは、日本が、生活にも学習にも向いている国だと確信した。また親族のうち4人が日本で留学したことがあったのも、自分も留学生活を体験したいと考え、この道に踏み切る理由となった。
最初の関門「日本留学試験」
2015年6月、上海外国語大学海外合作学院で1年近く学習した周さんは、同学院の手配の下、香港での「日本留学試験」に参加した。
2002年に始まった「日本留学試験」は、6月と11月の年2回実施されている試験で、日本の大学(学部)への入学を希望する外国人留学生の日本語能力と基礎学力を評価することをねらいとしている。日本以外のアジア地区の15カ所に試験会場が設けられているが、中国大陸部では行われていない。試験は文系と理系に分かれ、文系は日本語(400点)、総合科目(200点)、数学(200点)の3科目、理系は日本語(400点)、理科(物理、化学、生物から2科目を選択、200点)、数学(200点)の3科目からなる。この試験は現在、日本の国公立大学のほぼすべてに採用され、私立大学も半分近くがこの試験の成績を参考としており、その難度は日本国内のセンター試験に迫ると言われる。
2015年7月、「日本留学試験」の成績通知書を受け取った周さんは、日本に赴き、志望大学への出願準備を始めた。また面接とJ-TEST検定を受け、京都のJCL外国語学院にも無事入学し、日本語と文系科目、数学、英語の学習を続け、志望大学の学内試験に備えた。