日本の参院選が10日、行われた。共同通信は11日未明、「改憲勢力」が3分の2以上の議席を獲得したと報じた。これは安倍首相が国会で「改憲のハードル」を突破したことを意味する。
クズ手は手が入ってないよりマシ
与党は今回の参院選で圧勝を収めたと言える。事実上、選挙前の最新の世論調査でも、自民党の支持率は33.5%だった。国民が安倍政権を支持する理由とは何だろうか?
アベノミクスは失敗していない――10日付東京新聞によると、安倍晋三首相・自民党総裁は雇用状況改善、訪日外国人客の増加など好調な経済指標を、アベノミクスの成果として再三強調している。安倍首相が就任してから3年以上に渡り、アベノミクスは常に物議をかもしており、効果は微々たるものとされてきた。中国社会科学院日本研究所対外関係室長の呂耀東氏は、「アベノミクスは予想されていた効果を手にしていない。しかし実施当初は、一定の力を発揮した。特に日本の大企業は、ある程度の実益を手にした。ある意味、安倍首相は就任後にクズ手で仕掛けたが、クズ手は手が入っていないよりマシと言える」と述べた。
改憲こそが最重要
安倍政権は今回の参院選で慎重に改憲への言及を避け、経済に力を注いだ。
これは当然ながら、安倍政権が改憲の努力を放棄したことを意味しない。外交学院教授の周永生氏は「安倍首相にとって、改憲こそが最重要だ。その他の経済振興、国民生活の改善などは、支持率を得るための手段、真の野心を実現するための序曲として見ることができる」と指摘した。
呂氏は「初就任時の2007年、安倍首相は参院選の惨敗により辞任した。安倍首相はこれにより、低迷する日本経済を振興する良薬はないことを、はっきりと認識した。政権を握るためには、国民に約束しなければならない。これは安倍首相が3本の矢を放った理由だ。経済を盛り上げようとすれば、長い道のりを歩まなければならない。そのため安倍首相は現在も、アベノミクスは失敗しておらず、まだ推進中だと言うことができる。重要なのはこの過程において、安倍首相が政治面で自分の改憲の目標に向け、一歩また一歩と前進していることだ。武器輸出三原則の緩和、安保関連法案の可決、集団的自衛権の行使容認など、安倍首相はアベノミクスの裏側で自分の政治的野心を一歩また一歩と実現している。以前なら出来なかったことも、大胆に実行できた」と述べた。