麗澤大学特任教授 三潴 正道
「中国の宴会って、とにかくお酒をどんどん進めるのよね」
「そう、酒の無い宴会って考えられない」
「お酒の飲み方もいろいろあるの?」
「勿論さ。お酒は大事なコミュニケーションの道具だ」
「カンペイ、よね」
「乾杯(カンペイ)、半杯(パンペイ)、随意(スイイー)、三種類ある」
「あら、どれでもいいの?」
「最初にどれにするか取り決めるのさ」
「誰と乾杯するの?」
「一テーブルは原則は8人、こっちが四人で相手も四人、交互に座っている」
「交互でなくちゃいけないの?」
「それが基本で、実情に合わせて融通無碍」
「丸テーブルだと上席なんてあるのかしら」
「主人と主賓から始まって、結構座る順番があるんだ」
「その相手の四人と乾杯するのね」
「うん、こちらから声をかけて杯を挙げて見せれば、乾杯しよう、と言う合図だ」
「乾杯の仕方ってあるの?」
「まず、こちらのグラスの酒が少ないと誠意が足りないって文句を言われる」
「そう!言われたことがある!」
「だから、中国の宴会では乾杯する時の手酌は大歓迎さ」
「日本で手酌したら、いじましい、って叱られるわ」
「中国では相手に対する敬意を増すわけだから、OKなんだ」
「飲兵衛にはまるで天国ね」
「正式な乾杯で大事なことは、グラスに両手を添え、飲む時に相手から目をそらさない」
「ちょっと怖くない?」
「よっぽど正式な時には、でいいよ」
「全部飲んだら、グラスの底を相手に見せるのよね」
「そう、グラスを逆さまにして見せる地方もある」
「中国の宴会って飲めない人はどうするの?」
「中国人だって飲めない人はいる。上役に強要されて死んだ役人もいた」
「それって労災だわ!」
「でも、最近はあまり無理強いしなくなった。これも一つの進歩なのかな」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月15日