麗澤大学特任教授 三潴 正道
「新年おめでとうございます」
「日本人留学生が教室で“あけおめ!”あけおめ!って言ってた」
「あけましておめでとうございます、の略ね。前から流行っているわ」
「僕らのお正月はまだこれから。春節だからね」
「最近は春節前の大晦日も休日になって、お休みが長くなったのね」
「そう、休日を多くして国内消費を盛んにしようってわけさ」
「本当?」
「本当さ。2.5休日っていうのも増えている」
「??」
「土日に金曜日の午後を休みにすれば2.5日だ」
「あっ、そうか」
「そういうミニ休日群を増やせば、観光をする人も増えるってわけ」
「二泊三日出来たらいろいろなプランが考えられるわ」
「もともとは90年代に観光業は“無煙工業だって言って振興を図ったんだ”」
「いいことだわ!」
「でも、そのころは春節や国慶節といった限られた長期休暇しかなかったのさ」
「聞いたことがあるわ。みんなが故郷に集まるのよね」
「そう、だからこの民族大移動は大混雑だ」
「去年、ちょうどその頃上海駅を通ったんだけど、すごい人並!」
「うまくケアするには駅構内がうんと広くないとね」
「トイレもたくさんないと困る」
「宿泊施設も含め、あらゆる施設がとてつもないスケールでないとうまく捌けない」
「施設を整備しないといけないわ」
「そんなに施設を造っても1年のうちほんのわずかな日数以外はガラガラ…」
「もったいない!」
「だから2.5日休暇を増やしてみんなに分散して休みを取らそうってわけなんだ」
「それ、いいアイデアだけど、お正月はやっぱりお正月、人が多いと思うわ」
「うん、列車の切符をゲットするのはやっぱり大変だ」
「暮れにぎりぎりまで働いている出稼ぎの人たち、どうやって買うのかしら」
「最近は学生さんたちがネット予約のボランティアをよくやってあげるんだ」
「偉い!」
「もう一ついい方法がある。逆をやるんだ」
「逆って?」
「一般の流れとは逆に親を都会に連れて来て正月をする。列車も逆は空いているよ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月5日