三潴 正道">
麗澤大学特任教授 三潴 正道
話は更に数字の縁起に
「中国人はとにかく縁起を担ぐのが大好きだ」
「まだいろいろあるのね」
「うん。数字だけでもいろいろある。八の他に六も歓迎だ」
「それも発音?」
「そう、六と禄、禄は天が与えてくれる福を意味するんだ」
「そういえば、“福禄寿”って聞いたことがある」
「“福禄寿”は福を持ってきてくれる神様だよ」
「日本の七福神にも出て来るわ」
「“六六大順”(万事うまくいく)なんて言葉もあるから大人気さ」
「他には?」
「九も発音が久と同じだから、めでたい数字になる」
「不吉な数字ってあるの?」
「四だ。発音が死と同じだからね」
「あら、日本もそうよ。だから葬儀屋さんの電話番号は4のオンパレード」
「四が不吉、と言う習慣はどうも日本人が持ち込んだらしいけど」
「へえ、そうなの。中華用の廻るテーブルだけじゃないのね」
「でも今じゃすっかり定着しちゃった。香港のマンションの話知ってる?」
「知らないわ」
「高層ビルを建てたんだけど、公称と実際の階数や部屋数に随分差があったんだ」
「どうして?」
「4階、14階、24階---、それに41階から49階、おまけに4号室、14号室---も無い」
「徹底してるわね」
「14階は最悪だね。読み方では発音が“要死”(もうすぐ死ぬ)と同じだから」
「なるほど」
「中国人のお客さんにホテルや新幹線を予約するなら、数字に気をつけなくちゃ」
「ふーん、商談成功の秘訣ね」
「中国ではその気配りが認められて大出世したという話もあるんだ」
「あら、これおいしそうなイチゴね。6つあるから、あなたが二つで私が四つ」
「えっ、どうして?3つずつでしょ?」
「中国は“送双”が縁起がいいんでしょ。それに私、4つでも気にしないもの」
「--- ---」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年4月15日