三潴正道">
麗澤大学特任教授 三潴 正道
話はモラルの日中比較に
食事のモラル
「モラルって言えば、中国と日本では食事のモラルも随分違うわね」
「そう、よく聞かれて困るのが“頂きますってなんていうの?”さ」
「“ごちそうさま!”も無いんでしょ」
「そう、料理が来たら食べ始める、食べおわったらおしまい、それで十分」
「お客さまに“お腹いっぱいになりましたか”って聞いたらいけないのよね」
「“吃饱了吗?”は時には“もう腹いっぱいだろ、まだ食べるの?”にもなるからね」
「やだ、じゃ、なんて言ったらいいの?」
「“多吃点儿吧!”(もっと召し上がれ)だね」
「うわー、中華料理のコースって料理が多くて食べきれないのに」
「日本料理だってフルコースはいろいろ出るよ。ただ、中国のコースは8の倍数なんだ」
「どういうこと?」
「正式のフルコースはまず8品、もっと豪華に、だったら16品と24品」
「全部8の倍数だわ」
「そう、8品の中に前菜、メインディッシュ、スープ、デザートがある」
「材料もいろいろね」
「牛肉、豚肉、鶏肉、海鮮を材料に、蒸したり、あぶったり、煮たり、焼いたり---」
「中華料理は調味料もいろいろあるし」
「地方色も豊かだ。4大料理以外にもたくさんある」
「24品のフルコースだったら本当にいろいろ食べられるかも」
「フルコースは基本的にはある地域の料理で統一するけどね」
「ふーん、そうなの。メインディッシュってどんなのがメインなの?」
「魚の蒸し焼き、子豚の丸焼き、鳥の丸焼き蒸し焼きなんてところかな」
「24品だとメインディッシュだけで3つよね。最後まで食べきれないわ」
「だから、少しずつ、残すことを気にしないで食べないとね」
「日本人は最初のクラゲの冷菜で食べ過ぎてしまうのよ」
「料理のメニューをよく見て心の準備をしておくといい」
「メニューって言えば、メニューの読み方が分からなくて注文が大変」
「そう、メニューはいろいろな情報が入っている」
「例えば?」
「"腰果鸡丁”は“カシューナッツとトリの賽の目切り”だ。次回はその話をしよう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年4月11日