近い将来、英半導体設計大手のARMのオーナーがわ代わることになりそうだ。日本のソフトバンクグループは、243億ポンドでARMを買収することを確認した。株式の購入価格は1株当たり17ポンドで、ARMの先週終値に43%上乗せした。
ソフトバンクによると、ARMの取締役会は買収に合意しているが、株主大会と英国の関連機関による許可が必要だという。
通信業界アナリストの付亮氏は、ソフトバンクがARMを買収する目的について、モノのインターネット分野に進出し情報伝達を「人から人へ」から「モノからモノへ」に変えるチャンスをつかむためと分析した。付氏はまた、孫正義社長は目の利く経営者だと称賛した。
当然ながら、異なる意見を持つ人もいえる。メディア関係者の陳思進氏は「孫氏は人類史上、最も損をしている投機家だ。ただこの巨額の借金が、アリババの光に隠されているにすぎない。234億ポンドでARMを買収したのは、最後の勝負をかけ背水の陣をしくためだろう」と述べた。
ソフトバンクの孫正義社長(59)は、この30年間で世界で最も成功している投資家とされている。孫氏はヤフー、盛大網路、アリババへの投資で伝説となった。
目の利く孫氏は1995年、草創期にあったヤフーに200万ドルを投資し、翌年さらに1億ドルを追加投資し、ヤフーの33%の株を取得した。ヤフーはその2ヶ月後、米国で上場した。孫氏はヤフー株2%を4億ドル以上の現金に変え、3億ドルの儲けを出した。
当然ながら最も有名な伝説は、アリババだ。アリババは2000年の段階では小企業だった。孫氏は北京で馬雲氏と6分間話し、アリババに2000万ドルを投資した。孫氏は当時を振り返り、馬氏の目を見ただけで決定したと話した。
しかし孫氏にも見誤る時がある。ソフトバンクは2012年に、米国3位の通信事業者のスプリントを220億ドルで買収し、一挙に世界3大通信事業者となった。しかしこの取引によりソフトバンクの債務危機がさらに深刻化し、現在の借金は600億ドル以上となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月20日