中国企業による新たな経営理念により、日本の古いブランドが生まれ変わる
日本は長期にわたり、アジアで資本と技術をリードする役割を果たしてきた。IMFなど国際機関の報告書などでは、日本は「アジア以外」となり、アジアの例外としての位置づけだった。現在、日本はアジア投資において技術と市場が分離する問題を抱え、日本国内市場でも古いしきたりや排除の面を持っている。インターネットエコノミーの時代においては動きが鈍く感じられる。アジア資本の逆襲によって、日本の先進技術や管理はさらにアジアの新興市場が持つ大きなニーズにマッチすることになり、新たなビジネスモデルや文化を促すことだろう。
2009年、中国企業の蘇寧電器(現・蘇寧雲商集団)は家電小売チェーンのLAOXに出資した。中国資本が日本の上場企業に出資したのはこれが初めてのことだった。中国や東南アジアからの訪日観光客が急増したことを契機に、LAOXは業態を変え、外国人観光客に向けた大型免税店を作り上げた。6年が経ち、LAOXの資本金は買収当初の189億円から397億円に増加。経営も黒字転換し、株価は50円から300円に急上昇した。買収時に10軒だった店舗数は41軒まで増加した。100人足らずだった社員数は1000人になった。LAOXはまた、有名アパレル企業と提携し、中国など海外顧客に向けたオンラインビジネスも構築した。自主開発の化粧品ブランドが近日リリースされる予定だ。LAOXの羅怡文社長は取材に対し、LAOXはアジアの訪日観光客の買い物ニーズをさらに応えていくだけでなく、日本の顧客への訴求も徐々に図っていくとの考えを示す。
ハイアールは2012年、三洋電機の冷蔵庫・洗濯機事業と東南アジアの白物家電事業を買収し、アジア研究開発センターを設立した。ハイアールアジアは三洋の技術を取り込むだけに満足せず、保守的な企業文化にメスを入れた。市場を中心に見据えた開放的なイノベーション体系を構築したのだ。わずか3年でハイアールは、15年続いた三洋の赤字を終わらせるとともに、市場を驚かす新製品を開発した。日本メディアは、「かつて様々な新製品を発表してきた三洋のイノベーション精神が、ハイアールによって復活した」と称賛した。